こんにちは。パワーツールラボ運営者 TAKAです。
普段通りにお洗濯をしようとしたら、突然鳴り響く「ピピピッ」というエラー音。恐る恐る排水フィルターを開けてみたら、水がドバっと出てきて床が水浸しに…なんて経験はありませんか。
「えっ、これって故障?」「水漏れしたらどうしよう」と、パニックになってしまいますよね。実はパナソニックの洗濯機において、排水フィルターに水がたまっている状態は、必ずしも故障とは限りません。
しかし、その「水の量」や「たまり方」によっては、すぐにプロに見てもらわないといけない危険なサインであることも事実です。私自身、工具を片手に様々な家電の修理に携わってきましたが、この「水たまり」の判断を見誤ると、最悪の場合、階下への漏水事故に繋がるケースも見てきました。
この記事では、工具や機械が好きな私が、メーカーの公式情報やユーザーの実体験を元に、その水たまりが「正常なもの」なのか、それとも「危険なサイン」なのかを正しく見分ける方法と、自分でできる解決策を分かりやすく解説します。
- 排水フィルターに水が残る「正常」と「異常」の明確な見分け方
- 床を水浸しにせず安全にフィルターを開けるプロのコツ
- 今日からできる掃除手順と再発を防ぐメンテナンス頻度
- 業者に修理を頼むべきか判断する3つの基準と費用目安
パナソニック洗濯機の排水フィルターに水がたまる原因と「正常・異常」の判別

「水がたまっている=故障」と決めつける前に、まずは状況を冷静に観察しましょう。実は、洗濯機の構造上、水が残っていること自体は設計通りである場合が多いのです。
ここでは、安心して良い「正常なケース」と、すぐに対処が必要な「異常なケース」の違いを解説します。この基準を知っておくだけで、無駄な修理費を払わずに済むかもしれません。
【結論】水がたまる主な原因は「封水」か「排水経路の詰まり」の2つ

- 正常(安心):コップ1~2杯程度の水が出てくる
- 異常(注意):フィルターを緩めると勢いよくあふれ続ける、またはU11エラーが出ている
結論から言うと、排水フィルターを外した時にコップ1杯〜2杯程度の水が出るのは「正常」です。これは故障ではなく、洗濯機の機能上必要な水ですので安心してください。
一方で、洗面器では受けきれないほどの大量の水が流れ出てきたり、いつまで経っても水が止まらなかったりする場合は、排水経路のどこかが詰まっている「異常」な状態です。
「コップ1杯ならOK、あふれるならNG」。まずはこのシンプルな基準で、ご自宅の洗濯機がどちらの状態なのかを判断しましょう。もし後者の場合は、すぐにフィルターを閉めて、記事後半の「緊急対応」へ進んでください。
正常なケース:なぜ水が残る?排水トラップ(封水)の重要な役割

「なぜ水が残るのが正常なの?全部抜けてくれた方が清潔じゃない?」と思われるかもしれませんね。
実は、この残っている水には「封水(ふうすい)」という重要な役割があります。これは、下水管と洗濯機の間にある「排水トラップ」という場所に常に水をためておくことで、下水道からの悪臭や害虫が室内に入ってくるのを防ぐ「水のフタ」の役割を果たしているのです。
もし、この水が完全に乾いてなくなってしまうと、洗濯機置き場から強烈な下水の臭いが漂ってくることになります。旅行などで長期間洗濯機を使わなかった後に下水臭がするのは、この封水が蒸発してしまったことが原因です。
特にドラム式洗濯機の場合、乾燥運転の熱でこの封水が蒸発しやすい傾向にあります。そのため、パナソニックの一部の機種では、乾燥終了後に自動的に水を注ぎ足して封水を確保する機能がついているものもあるんですよ。
掃除の時以外に、この水がなくなっている(フィルターが乾いている)場合は、逆に「封水切れ」による臭いのトラブルの原因になります。水があること自体は、正常な証拠なのです。
異常なケース:U11エラーや「開けるとあふれる」危険なサイン

問題なのは、封水のレベルを超えて水がたまっている場合です。以下のような症状がある場合は、何らかのトラブルが起きています。
- U11エラーが表示される:これは「排水できない」ことを示すエラーコードです。
- ブザーが鳴る:排水フィルターのつまみを回した時に「ピピピ」と警告音が鳴る場合、内部に大量の水が残っていることを知らせています。
- 水があふれ出る:フィルターを少し緩めただけで、勢いよく水が噴き出してくる場合。
これらの原因の多くは、「排水フィルターの目詰まり」や「排水ホース・排水口の詰まり」です。糸くずや汚れが排水の通り道を塞いでしまい、洗濯槽の中の水が外に出られなくなっている状態ですね。
また、意外と多いのが「靴下やハンカチなどの小物」が詰まっているケースです。これらが配管を塞ぐと、深刻な排水不良を引き起こします。マスクやペットの毛、ポケットに入れたままのレシートなども詰まりの原因になります。
もしU11エラーが出て洗濯機が止まってしまった場合は、以下の記事も参考になります。エラーの解消方法をさらに詳しく解説しています。

機種別チェック:ドラム式特有の「熱交換器洗浄水」とは?

機種別チェック:ドラム式特有の「熱交換器洗浄水」とは?
ここで一つ、パナソニックのドラム式洗濯機ユーザー特有の注意点をお伝えします。
「排水フィルターではなく、上の乾燥フィルターを外したところに水がたまっている」
こんな症状はありませんか?これは排水フィルターの水残りとは全く別の現象です。
パナソニックのドラム式には、乾燥効率を維持するために熱交換器を水で洗い流す「熱交換器自動洗浄」という機能があります。通常、この洗浄水はスムーズに排水されますが、内部のホコリ詰まりなどで排水経路が塞がれると、乾燥フィルター部分に水が逆流してたまってしまうことがあります。
この症状が出ている場合、単なるフィルター掃除では直らないことが多いです。本体内部の「ヒートポンプユニット」周辺にホコリが蓄積している可能性が高く、分解清掃が必要になります。
乾燥フィルター部分に水がたまる場合、ユーザー自身での掃除が難しい「ヒートポンプ周辺」の分解清掃が必要になるケースが多いです。無理に触らず、メーカー修理を検討することをおすすめします。
(出典:パナソニック公式FAQ – 乾燥フィルターを外すと水がたまっているときは)
緊急対応:フィルターを開ける前に「水浸し」を防ぐ水抜きテクニック

「異常なのは分かったけど、掃除しようとしたら水があふれてくる!どうすればいいの?」と焦っている方へ。
床が水浸しになるのを防ぐために、以下の手順で「水抜き」を行ってください。
いきなりフィルターを全開にするのは絶対にNGです。プロも実践している確実な方法です。
まずは洗濯機の中に残っている水を強制的に排出します。電源を入れ、「脱水」を選んで1分〜2分ほど運転させてください。ドラム内の水がなくなるまで回します。
洗面器だけでなく、バケツと雑巾(多めに)を用意します。洗面器だけでは受け止めきれないことがあります。レジャーシートなどを敷いておくと安心です。
脱水が終わったら、排水フィルターのつまみをゆっくり左に回します。一気に抜かず、水がチョロチョロと出てくる位置で止め、洗面器で受けます。
洗面器がいっぱいになったらつまみを締め、水を捨ててから再度緩めます。これを水が出なくなるまで繰り返します。
もし、脱水運転をしてもエラーが出て止まってしまう場合は、かなり頑固な詰まりが発生しています。その場合は、電源を切り、コンセントを抜いてから、上記の「少しずつ緩める」作業を根気強く行ってください。
水がたまるトラブルを自分で解決!掃除手順と再発させない予防策

正常・異常の判断がついたら、次は解決編です。「掃除なんてフィルターのゴミを取るだけでしょ?」と思っていませんか?
実は、水がたまりやすい洗濯機には、見落とされがちな「隠れ汚れスポット」があります。ここからは、プロ目線での徹底的な掃除手順と予防策をご紹介します。
実践編:排水フィルターと「本体側の奥」を徹底的に掃除する手順

排水フィルターそのものの掃除は皆さんされていると思いますが、重要なのは「フィルターを差し込む穴の奥(本体側)」です。
ここにヘドロ状の汚れがたまっていると、いくらフィルターを洗ってもすぐに詰まってしまいます。特にドラム式の場合、構造上奥の方にゴミが溜まりやすい傾向があります。
前述の水抜きを行った後、フィルターを完全に取り外します。
網目に詰まった糸くずを古歯ブラシなどで取り除きます。ヌメリがある場合はお風呂用洗剤を使いましょう。塩素系漂白剤に少しつけておくと、殺菌もできて効果的です。
ここが最重要です。懐中電灯で奥を照らしてみてください。見えにくい場所に糸くずやヘドロがたまっていませんか?柄の長いブラシや割り箸を使って、奥の汚れを掻き出します。
コップに入れたぬるま湯を少しずつ注ぎ、汚れを浮かせながら排出させると効果的です。これを数回繰り返すと、奥の汚れが出てきます。
黒いゴムパッキンがねじれたり、ゴミが挟まったりしていないか確認してから、しっかりと元通りに締め込みます。
フィルターの取り付けが緩いと「U18」エラーが出たり、そこから水漏れが発生したりします。「▶」マークなどの目印が合うまで、確実に締め込んでください。
見落としがち!排水ホースと排水口の詰まりを解消する方法

「フィルターも奥もピカピカにしたのに、まだU11エラーが出る…」
そんな時は、洗濯機から出ている「排水ホース」や、床にある「排水口」が詰まっている可能性が高いです。特に数年間一度も排水口を掃除していない場合は、ほぼ間違いなくここが原因です。
- 排水ホース:
ジャバラ状になっているため、溝に汚れがたまりやすいです。ホースを取り外し、内部にお湯を通したり、オキシクリーン液などを入れてシャカシャカ振る「つけ置き洗い」が有効です。また、ホースが折れ曲がっていたり、家具に踏まれて潰れていたりしないかも確認しましょう。 - 排水口(防水パン):
洗濯機の真下や横にある排水口。ここにある「排水トラップ」を分解して掃除する必要があります。髪の毛や糸くずが絡まりやすい場所です。トラップを外すと下水の臭いが上がってくるので、換気をしながら行いましょう。
排水口の掃除には、市販のパイプクリーナー(パイプユニッシュなど)を使用するのも手軽で効果的です。液体を流し込み、15〜30分放置してから大量の水で流すだけで、奥の汚れを溶かしてくれます。
これがあれば便利!頑固な汚れを落とすおすすめ掃除グッズ

掃除の際、「指が届かない!」「普通のブラシじゃ奥まで洗えない!」というストレスを感じたことはありませんか?
ここでは、私が実際に使ってみて便利だった掃除グッズをご紹介します。
1. 排水フィルター奥専用ブラシ
100円ショップの「注ぎ口洗いブラシ」や「L字型ブラシ」でも代用できますが、やはり専用品は使い勝手が違います。コジットなどのメーカーから出ている「排水管用ブラシ」は、長さがあり、適度なコシがあるので、フィルター奥のヌメリをごっそり掻き出してくれます。ワイヤー状で曲がるタイプが特におすすめです。
2. 強力パイプクリーナー
「パイプユニッシュ」などの粘度が高いジェルタイプのクリーナーは必須アイテムです。排水口を分解するのが難しい場合でも、これを流し込むだけで詰まりが解消することが多々あります。プロ用(高濃度タイプ)を選ぶと、より強力に髪の毛などを溶かしてくれます。
3. エコ派には「重曹+クエン酸」
強い洗剤を使いたくない方は、重曹とクエン酸を使いましょう。排水口に重曹を振りかけ、その上からクエン酸水(またはお酢)をかけると、シュワシュワと発泡して汚れを浮かせます。環境にも優しいのでおすすめです。ただし、頑固な詰まりには時間がかかることがあります。
自力解決の限界ライン:業者修理を依頼すべき「3つの判断基準」

自分で頑張って掃除しても直らない場合、無理を続けると洗濯機を壊してしまうリスクがあります。以下の3つのケースに当てはまる場合は、潔くプロ(メーカーや修理業者)に依頼しましょう。
- 徹底的に掃除してもU11エラーが消えない:
排水弁の故障や、基板のトラブルなど、部品交換が必要な可能性があります。 - 乾燥フィルター部分に水がたまる:
前述の通り、本体内部のヒートポンプ周辺の分解が必要な重整備になります。 - 排水口が洗濯機の真下にあって手が届かない:
無理に洗濯機を動かすと、ホースが外れて大惨事になることも。かさ上げ台の設置も含めて業者に相談しましょう。
ちなみに、パナソニックの公式修理目安としては、U11エラー(排水関連)の修理費用は約21,000円〜48,000円程度が相場となっています。出張費なども含まれるため、決して安くはありません。
(出典:パナソニック 修理診断ナビ)
購入から6〜7年以上経過している場合は、修理部品の保有期間(製造打ち切り後6年など)が過ぎている可能性や、他の部品も壊れるリスクを考えると、買い替えを検討した方が良い場合もあります。寿命が近い洗濯機に高額な修理費をかけるより、最新機種への買い替えも視野に入れてみてください。
もう焦らない!使用頻度別にみる最適なメンテナンススケジュール

「毎週掃除するのは面倒くさい…」というのが本音ですよね。でも、使用頻度に合わせてメリハリをつければ、メンテナンスはそこまで大変ではありません。
ご家庭の洗濯状況に合わせた、無理のないスケジュール目安を作成しました。
| 使用頻度 | 排水フィルター | 排水口・洗濯槽 |
|---|---|---|
| 毎日洗濯する (4人家族など) | 週に1回 | 月に1回 |
| 週3〜4回 (2〜3人家族など) | 2週間に1回 | 2ヶ月に1回 |
| 週1〜2回 (一人暮らしなど) | 月に1回 | 3ヶ月に1回 |
これはあくまで目安ですが、パナソニック公式では排水フィルターは「週1回」のお手入れを推奨しています。
特に、ペットを飼っているご家庭や、汚れのひどい作業着・泥汚れを洗うことが多い場合は、上記の頻度よりもこまめにチェックすることをおすすめします。「ちょっと流れが悪いかな?」と感じた時が掃除のタイミングです。
パナソニック洗濯機の水トラブルに関するよくある質問(Q&A)

- 掃除後に水を入れる必要があるのはなぜですか?
-
A: 記事の前半でお話しした「封水」を作るためです。
掃除をすると排水トラップの水がなくなってしまうため、そのままでは下水の臭いが上がってきてしまいます。掃除が終わってフィルターをセットしたら、コップ1〜2杯の水を洗濯槽に入れてから脱水などの操作を行うか、次回の洗濯までそのままでも構いませんが、臭いが気になる場合は水を足しておくと安心です。 - 乾燥フィルターまで濡れているのは故障ですか?
-
A: 濡れている程度(結露)なら正常ですが、水がたまっているなら異常です。
冬場など外気温と室温の差が大きい時は、結露で乾燥フィルターが湿ることがありますが、これは故障ではありません。しかし、外した時に水がボタボタ垂れるほどたまっている場合は、内部の排水経路詰まりの可能性が高いです。詳しくは(出典:パナソニック公式FAQ – 乾燥フィルターが濡れる)をご確認ください。 - 排水フィルターが固くて回らない時はどうすればいい?
-
A: ゴム手袋をして回してみてください。
長期間掃除をしていないと、汚れが固着して回りにくくなることがあります。素手では滑ってしまうので、ゴム手袋をしてグリップ力を高めると回りやすくなります。それでも回らない場合は、無理にペンチなどで回すと破損の原因になるので、メーカーに相談しましょう。 - U11エラーが消えない場合の最終手段は?
-
A: 一度「電源リセット」を試してください。
掃除をしたのにエラーが消えない場合、センサーが誤検知している可能性があります。電源を切り、コンセントを抜いて5〜10分ほど放置してから、再度電源を入れてみてください。これでもダメなら、残念ながら故障の可能性が高いため修理依頼が必要です。
まとめ:排水フィルターの水がたまる現象は「量」で見極めて冷静に対処を

最後に、今回のポイントをまとめます。
- 排水フィルターから出るコップ1〜2杯の水は「正常(封水)」なので安心してください。
- 水があふれ出る、U11エラーが出る場合は「異常(詰まり)」です。
- フィルターを開ける前は、必ず「脱水」運転で水抜きをして床を守りましょう。
- 掃除はフィルターだけでなく、「奥(本体側)」と「排水ホース・排水口」まで行うのが解決の近道です。
- 徹底掃除しても直らない場合や、乾燥フィルターに水がたまる場合は、無理せず業者に依頼しましょう。
洗濯機は毎日使うものだからこそ、トラブルが起きると焦ってしまいますよね。でも、排水フィルターの水は、その量さえ見極めれば怖くありません。
まずは「これくらいの水なら大丈夫なんだ」と落ち着いて、できる範囲のお手入れから始めてみてくださいね。この記事が、あなたの洗濯機トラブル解決の糸口になれば嬉しいです。

