こんにちは。パワーツールラボ運営者のTAKAです。
ダイソンの掃除機を使っていて、吸引はしているのに「ヘッドのブラシだけがピクリとも動かない」という状況に困っていませんか?高価な製品だけに、急に動かなくなると「もしかして故障?」「また高い修理代がかかるのかな……」と不安になりますよね。
実は、ダイソンのヘッドが回らなくなる原因の多くは、本体の故障ではなく、ちょっとしたメンテナンス不足や接触不良によるものです。私もこれまで数多くのダイソン製品に触れてきましたが、実はたった3分の作業で、新品の時のようにスルッと回転が復活することも珍しくありません。
この記事では、今まさにヘッドが回らずに困っているあなたのために、プロが実践する「故障箇所の切り分け方」から、自力で直すための具体的なメンテナンス術まで、分かりやすく丁寧に解説します。
この記事を読み終える頃には、無駄な出費を抑えつつ、あなたのダイソンを再び快適に使いこなせるようになっているはずですよ。ぜひ最後までお付き合いください。
- ヘッドが回らない原因を特定する「直結テスト」のやり方
- 自力で直せる接触不良の具体的な清掃メンテナンス術
- 修理に出すべきか買い替えるべきかの判断基準(損益分岐点)
- 純正品と互換品ヘッドのメリット・デメリットと比較
故障?ダイソン掃除機のヘッドが回らない原因と3分でできる解決策
「さっきまで動いていたのに、急にブラシが止まった」「吸い込みはするけれど、ヘッドだけ反応がない」といった症状が出ると、反射的に「買い替え」の二文字が頭をよぎりますよね。でも、ちょっと待ってください。ダイソンのクリーナーヘッドが回らない理由は、実はメカニズムを知れば意外とシンプルに整理できるんです。
【結論】ダイソン掃除機のヘッドが回らない時の3つの主要原因

ダイソン掃除機のヘッドが回らなくなった時、疑うべきポイントは大きく分けて3つあります。まず前提として知っておいていただきたいのが、ダイソンのヘッドは「吸引する空気の力」で回っているのではなく、内部に搭載された「専用のモーター」で回っているという点です。つまり、吸引モーターとは別の「電気系統」がトラブルを起こしている可能性が高いんですね。この独立した駆動方式により、高い掃除効率を実現していますが、同時に電気的な繊細さも持ち合わせています。
この独立した駆動方式により、高い掃除効率を実現していますが、同時に電気的な繊細さも持ち合わせています。
1つ目の原因は、「物理的な回転のロック」です。これは最も多いケースで、ブラシバーの軸に髪の毛や糸くずが大量に絡まり、モーターが回ろうとする力を物理的に押し殺してしまっている状態です。Dyson製品には、モーターや駆動ベルトを物理的な破損から守るための電子的な「過負荷保護機能(セーフティシステム)」が組み込まれています。特にカーペット対応のダイレクトドライブクリーナーヘッドなどは、ブラシバーの回転に過度な抵抗(トルク負荷)がかかった際、瞬時に電流を遮断し、回転を停止させる仕様となっています。この機能は故障ではなく製品を守るための「仕様」なのですが、ユーザー様からすれば「突然動かなくなった」と驚かれる要因になります。 (出典:経済産業省『製品安全に関するガイドブック』)
2つ目の原因は、「電気的な接触不良」です。ダイソンの電力は、バッテリーから本体制御基板を経由し、クリアビンの接点、ロングパイプ、そして最後にクリーナーヘッドの接続端子という長い経路を「バケツリレー」のように渡って供給されます。この経路のどこか一箇所でも、端子が汚れていたり、酸化皮膜(目に見えない抵抗)が張っていたりすると、たとえ本体が正常に吸引を行っていても、ヘッドへの給電のみが遮断され、ブラシは回転を停止します。これが「吸うけれど回らない」という典型的な症状の正体です。掃除中にヘッドを激しく動かす動作は、これらの接点に微細な振動を与え続けるため、経年劣化による緩みや汚れが発生しやすいんです。
3つ目の原因は、「本体の目詰まりによる保護モードの発動」です。フィルターが汚れていたり、吸気口にゴミが詰まったりして空気の流れが著しく悪くなると、本体のセンサーが異常を検知します。近年のDyson V11やDyson V15 Detectなどのモデルでは、モーターを保護するためにシステム全体を制御しており、消費電力の大きいクリーナーヘッドへの給電を優先的にカットすることがあるんです。「フォンフォン」という断続的な脈打ち音がしている時は、まさにこの状態だと言えるでしょう。これは吸引モーターを過熱から守るための防衛反応なんですね。
まずはこれを確認!「パイプなし直結テスト」による故障箇所の切り分け

「回らない原因がわからない……」と悩む前に、プロが現場で最初に行う「究極の切り分け術」をご紹介します。それが、ロングパイプを外して行う「直結テスト(ダイレクト接続テスト)」です。これを行うだけで、壊れているのが「本体」なのか「パイプ」なのか「ヘッド」なのかを、一瞬で特定することができます。闇雲に部品を買い替える前に必ず実施してください。診断の精度が劇的に上がり、無駄な出費を防ぐことができます。
診断の精度が劇的に上がり、無駄な出費を防ぐことができます。
やり方はとても簡単です。まず、普段使っている長いパイプを取り外してください。そして、ハンディクリーナー状態の本体(クリアビンがついている部分)に、直接クリーナーヘッドをガチャンと差し込みます。その状態でトリガーを引いてみてください。この際、空中で浮かせるのではなく、床にヘッドを置いて安定させた状態でテストするのがコツです。この時の反応によって、次のように正確に診断できます。
| 直結した時の状態 | 診断結果(犯人) | 技術的な背景と今後のアクション |
|---|---|---|
| ブラシが元気に回った! | 犯人は「ロングパイプ」 | パイプ内部を走る配線が金属疲労で断線しているか、パイプ上下の端子が接触不良を起こしています。パイプ単体の交換が必要です。 |
| これでも全く回らない | 犯人は「ヘッド」または「本体」 | ヘッド自体のモーター死か、本体側の制御基板から給電されていません。この場合は接点清掃に進み、ダメなら部品交換です。 |
もし直結して回ったのであれば、あなたのDyson V8やDyson V10の本体やヘッドは無事だということです。原因はパイプの中を通っている細い電気配線が、毎日の首振り動作による負荷で切れてしまったか、パイプの接点端子が摩耗して接触不良を起こしています。逆に、直結しても回らない場合は、クリーナーヘッド内部のモーター寿命か、本体側の給電基板に物理的な問題がある可能性が高まります。 (出典:Dyson公式サイト『サポート情報』)
このように、まずは「どこで電気が止まっているか」を見極めることが、最短で解決するための近道になります。特にお子様がいる家庭や、家具が多いお家ではパイプへの衝撃が多く、この「パイプ内断線」が意外な盲点になっていることが多いですよ。直結テストで問題箇所が「パイプ」だと分かれば、2万円のヘッドを買い直すミスを防ぎ、数千円〜1万円程度のパイプ購入だけで済むわけですから、やらない手はありませんよね。
「フォンフォン」と異音がする場合の盲点!フィルター詰まりが原因かも?
トリガーを引いた時に、ヘッドが回らないだけでなく、本体から「フォンフォン……」「ウィーン、ウィーン……」という、普段とは違う断続的な音(パルシング音)が聞こえることはありませんか?実はこの音、ダイソンからの「苦しい!息ができない!」というSOSサインなんです。多くのユーザー様はこれを「バッテリーが切れかかっている」や「モーターの故障」と思いがちですが、実際には「エアフロー(空気の流れ)」が阻害されている警告であることがほとんどです。
ダイソンは空気の流れを非常に精密に管理しており、フィルターが目詰まりしていたり、クリアビンの入り口にあるシュラウド(網目の部分)に微細な粉塵がびっしり付着していたりすると、吸引モーターに想定以上の負荷がかかります。この状態を放置すると、モーターが過熱して焼き付いてしまうため、システムが強制的にパワーをオン・オフさせる保護モードに入ります。この際、最も電力を消費し、かつ安全性が優先されない「クリーナーヘッドへの給電」が真っ先に犠牲になる仕組みになっているんですね。 (出典:消費者庁 経済産業省『製品事故情報報告・公表制度の解説』)
- フィルターの目詰まり
- シュラウドへの粉塵付着
- フィルターの乾燥不足(水分)
特に注意したいのが、フィルターメンテナンス時の「水洗いの罠」です。「昨日の夜に洗って、朝には乾いているように見えたからセットした」というケースが非常に危険です。フィルターの表面は乾いていても、多層構造の内部まで完全に乾き切っていないと、水分が空気の通り道を塞ぎ、即座にこの保護モードが発動します。また、湿ったまま通電することは、本体内部への浸水を招き、回復不能なショートを引き起こす「全損」のリスクさえあります。
フィルターを洗った後は、最低でも24時間、冬場や多湿な時期は48時間以上は、直射日光を避けた風通しの良い場所で完全に乾燥させてから装着するようにしてください。指で触って少しでも「しっとり」しているなら、まだセットしてはいけません。これを守るだけで、ヘッドの不動や本体の寿命低下を劇的に防ぐことができます。また、フィルター自体も経年劣化で目が詰まるため、1年以上使用していて頻繁に「フォンフォン音」が出るなら、新しいフィルターへの交換をおすすめします。
【プロ推奨】「3大・魔の端子」を清掃して電気的接触不良を解消する方法

直結テストで異常がなかったとしても、接点の汚れは「ある日突然」悪さをします。ダイソンの電力経路には、特にトラブルが起きやすい「3大・魔の端子」が存在します。ここを清掃するだけで、嘘のようにヘッドが復活することがあるんです。電気が通らない原因は、断線だけでなく「汚れという壁」であることが非常に多いということを覚えておいてください。
綿棒で清掃しながら、ピンを数回優しく押し込んで、スムーズに「カチカチ」と上下に動かか確認するのも重要なポイントですよ。
- 本体とクリアビンの接点
- パイプの接続部(両端)
- ヘッドの接続プラグ
これらの端子はむき出しのため、長年使っていると空気中の水分や油分、細かい埃が付着し、さらに通電時に発生する微細なスパークによって「酸化皮膜」という絶縁層が形成されます。見た目にはほんの少し黒ずんでいたり、くすんでいたりする程度でも、数ミリオームの抵抗増加が、精密な制御基板にとっては「異常」と判断される材料になります。また、掃除中にヘッドを左右に振る動作は、これら端子同士に「擦れ」を発生させ、摩耗粉が溜まる要因にもなります。
清掃する際は、ただの乾いた布で拭くだけでは不十分なことが多いです。できれば綿棒の先に少量の無水エタノールをつけ、端子の表面を円を描くように優しく磨いてあげてください。特に「本体側のピン」はバネで沈む構造になっています。ここに埃が噛み込むとピンが沈んだまま戻らなくなり、パイプを差しても物理的に接触しなくなります。綿棒で清掃しながら、ピンを数回優しく押し込んで、スムーズに「カチカチ」と上下に動くか確認するのも重要なポイントですよ。これだけで「ヘッドを買い替えなきゃ」と思っていた悩みが解消されることもあるんですから、試さない手はありません。
[検証] 接点復活剤や無水エタノールを使って実際に直してみた結果
メーカー公式のトラブルシューティングでは「乾いた布で拭く」までしか推奨されていませんが、私たちパワーツールラボでは、さらに一歩踏み込んだ検証を行っています。それが、オーディオ機器やPCパーツの修理現場で多用される「接点復活剤」の使用です。これが、接触不良で悩むダイソンユーザーにとっての「魔法の薬」になることがあります。
この「塗布」というひと手間が、あなたのダイソンを救うか壊すかの分かれ目になります。
実際に、端子をアルコールで磨いてもヘッドの回転が不安定だったDyson V8モデルに対し、KURE コンタクトスプレー(接点復活剤)を少量塗布して検証したところ、一瞬で回転が安定し、その後数ヶ月にわたってトラブルが再発しなかった事例があります。接点復活剤は、表面の酸化汚れを化学的に分解・除去し、さらに導電性を高める特殊な皮膜を作るため、摩耗した端子の導電能力を劇的に改善します。 (公式サイト:KURE コンタクトスプレー)
ただし、使いかたには厳格な注意が必要です!スプレーを直接接続部に「シューッ」と吹きかけるのは絶対に厳禁です。余分な液が基板内部やプラスチックの隙間に流れ込むと、ショートの原因になったり、樹脂パーツを侵して割れやすくしたりする二次被害を招きます。必ず、綿棒の先に液を染み込ませ、端子の「金属部分だけ」に薄く塗るようにしてください。この「塗布」というひと手間が、あなたのダイソンを救うか壊すかの分かれ目になります。
また、無水エタノールでの清掃も非常に有効です。ダイソンの本体側接点付近には、吸い込んだゴミに含まれる皮脂汚れや、キッチン周りの油を含んだホコリが付着しやすく、これが絶縁体となってしまいます。これらを無水エタノールで脱脂してあげるだけで、電圧降下が防げ、クリーナーヘッドのトルク(回転力)が新品時に戻ったように感じられることもあります。これらはホームセンターなどで数百円から1,000円程度で手に入るものですので、数万円の修理に出す前の「最後の切り札」として、ぜひ慎重に試してほしいメンテナンス術ですね。
物理的な回転を邪魔する「髪の毛・糸くず」の正しい除去手順
最後は、やはり基本中の基本である「物理的な徹底清掃」です。ダイソンのヘッドを裏返してブラシを眺めてみてください。一見きれいに見えても、実は「軸の根元」や「サイドキャップの裏側」に魔物が潜んでいることがよくあります。多くのユーザー様が見落としがちなこの「隠れゴミ」が、モーターを窒息させている正体なんです。
ピンセットやカッターを使い、軸に食い込んだ毛を一筋残らず除去してください。
側面をコインで回し、エンドキャップを取り外します。
ブラシバーを抜き出し、軸の根元に絡まった髪の毛をピンセットで除去します。
底面の小さなタイヤに毛が詰まっていないか確認します。
まず、ヘッドの側面にある溝をコイン(10円玉が最適)や専用のレバーで回し、エンドキャップを取り外してブラシバーを丸ごと抜き出しましょう。注目すべきは、ブラシの両端です。特にモーターユニットと繋がるギザギザの凹凸がある部分に、髪の毛が何十重にも巻き付いて「フェルト状の塊」に固まっていないでしょうか?この塊が回転軸とハウジングの隙間に食い込むと、凄まじい摩擦抵抗を生みます。モーターはその抵抗に打ち勝とうとして発熱し、最終的に「セーフティ機能」が発動して停止します。ピンセットやカッターを使い、軸に食い込んだ毛を一筋残らず除去してください。
また、ソフトローラークリーナーヘッドの場合、底面にある小さな「補助輪(透明なミニタイヤ)」も非常に重要です。ここが髪の毛で固着して動かなくなっていると、床との摩擦抵抗が跳ね上がり、ヘッドを動かすたびに「重い」と感じるだけでなく、本体が「床との過度な接触」を検知してパワーを落としたり、ヘッドの回転を止めたりすることがあります。タイヤの隙間に針先や細いピンセットを入れ、絡まった毛を丁寧に取り除きましょう。仕上げに掃除機本体で、ヘッドの内部(ブラシを抜いた後の空洞)もしっかり吸い取ってあげてください。
自力で直る?ダイソン掃除機のヘッドが回らない時の対処法と買い替え判断
清掃や接点メンテナンスを試しても改善しない場合、いよいよ「部品の交換」や「プロへの修理依頼」を検討するフェーズに入ります。しかし、焦ってメーカーに送り出す前に、自分のモデルに合った正しい開け方を知っているか、そして修理費用が新品購入を上回ってしまわないかを確認しておくことが大切です。ここでは、経済的な損をしないための最終的な判断基準を詳しく解説しますね。
【モデル別】V7/V8/V10/V11〜最新機種まで!ヘッドの分解・開け方一覧
ダイソンのクリーナーヘッドは、一見どれも同じように見えますが、実は世代によって分解方法が大きく異なります。「開け方が分からなくてマイナスドライバーで無理にこじ開けたら、プラスチックの爪が折れて二度と閉まらなくなった」という失敗談もよく耳にしますので、まずはご自身のモデルの解体ルールを正確に把握しましょう。 (出典:Dyson公式サイト『製造番号(シリアルナンバー)の確認方法』)
レバーが動かない時に「力任せ」に押し下げると、ロック機構そのものが折れてしまうため、公式サイトの動画マニュアルを併用しながら、優しい力加減で作業を行うのが安心ですね。
| シリーズ・機種例 | ヘッドの種類 | 具体的な分解・ブラシ取り外し手順 | メンテナンス時の注意点 |
|---|---|---|---|
| Dyson V7, V8, V10, V11 | ソフトローラー / ダイレクトドライブ | 側面の円形の凹みに「10円硬貨」を差し込んで反時計回りに回す。 | コインを回す際、プラスチックが柔らかいので削れやすいです。奥までしっかりはめてから力を入れましょう。 |
| Digital Slim (SV18), V12 Detect Slim | Slim Fluffyクリーナーヘッド | 側面にある「赤いスライドレバー」を押し下げて、エンドキャップを外側へスライドさせる。 | 道具は不要ですが、レバーの隙間に埃が詰まって動かない場合は、細いピンで掃除してから操作してください。 |
| V15 Detect, Gen5detect (SV41) | Laser Slim Fluffyクリーナーヘッド | 側面のボタンまたはレバー操作で、簡単にブラシバーを引き抜ける構造。 | レーザー照射ユニットは非常に繊細です。水洗いは絶対にNG。清掃は必ず乾いた布で軽く拭く程度に。 |
| Dyson Omni-glide (SV19) | オムニディレクショナルヘッド | 両端にあるリリースボタンを押し下げて、2本のローラーを同時に引き抜く。 | 全方向に回転するキャスター部分に髪の毛が非常に絡まりやすいです。ローラーだけでなく車輪の掃除も必須。 |
特に普及率の高いDyson V8やDyson V10を使っている方は、10円玉などの硬貨を用意するのが一番スムーズです。マイナスドライバーでも代用できますが、溝の幅と合わないものを使うと、樹脂部分がボロボロになり、将来的に開閉ができなくなる恐れがあります。また、最新のV12 Detect Slimなどの「Slim」系ヘッドは、軽量化のために各パーツが非常に薄く、繊細に作られています。レバーが動かない時に「力任せ」に押し下げると、ロック機構そのものが折れてしまうため、公式サイトの動画マニュアルを併用しながら、優しい力加減で作業を行うのが安心ですね。自分のモデルがどれか分からない場合は、バッテリーの底面か、フィルターを外した内側にあるシリアルナンバーを確認してみましょう。
修理に出すといくらかかる?「純正部品購入 vs 公式修理」の費用比較

さて、ここからは最も気になる「お金」と「コストパフォーマンス」の話です。ダイソンのサポート体制は非常に手厚いのですが、保証期間(通常購入から2年間)を過ぎていると、基本的には「定額修理サービス(一律料金制)」が適用されます。これが、ユーザーを悩ませる大きな要因の一つになっています。
安易に送る前に前述の「直結テスト」を済ませておくのが鉄則です。
メーカー公式の修理依頼を行う場合、多くの現行モデルで一律 22,000円〜33,000円(税込)程度の費用が発生します。「ヘッドが回らないだけなのに2万円以上!?」と驚かれるかもしれませんが、この料金には「往復の送料」「専門技術者による点検費」「必要なすべての交換パーツ代」が含まれています。つまり、ヘッドだけでなく本体のモーターやフィルター、バッテリーの健康状態まで丸ごとオーバーホールしてもらえるため、古い機種をリフレッシュして使い続けたい場合には意外と適正な価格設定とも言えます。ただし、見積もり後に修理をキャンセルした場合でも、点検料(キャンセル料)が発生するケースがあるため、安易に送る前に前述の「直結テスト」を済ませておくのが鉄則です。
一方で、故障箇所が「クリーナーヘッド」だけであると100%確信できているなら、パーツ単体をDyson 公式オンラインストアで購入する方法が最も経済的です。価格はモデルによりますが、約15,000円〜20,000円前後で購入可能です。公式修理に出すよりも数千円安く済み、何より掃除機を工場へ送って手元から消える期間(通常1週間〜10日程度)がないのが大きなメリットですね。 (公式サイト:Dyson スペアパーツ・アクセサリー販売)
ただし、公式ストアでも古いモデル(V6以前など)は在庫が終了している場合があります。その場合は修理も受け付けてもらえない「サポート終了」となっていることもあるため、ご自身の掃除機がまだ公式にサポートされているかは、シリアルナンバーを元にチャットサポート等で確認するのが一番確実です。部品を買う際は、絶対に自分の型番(例:SV12, SV10など)と適合するかを確認してください。形状が似ていても、電圧やコネクタのピン数が異なると接続できず、返品の手間がかかることもありますよ。
損をしないための経済的判断!修理か買い替えかを決める「損益分岐点」
「2万円払ってヘッドを直すべきか、それとも5万円出して最新機種に買い替えるべきか……」。この悩みに対する、パワーツールラボとしての明確な回答は、「購入からの経過年数」と「バッテリーの劣化状況」の2点を天秤にかけることです。これを無視してヘッドだけを新しくすると、数ヶ月後に後悔することになりかねません。
古いモデルは重量も重いため、この機会に軽量・高機能な新機種へ乗り換えるほうが、日々の掃除の負担を減らせるという「時間的・体力的メリット」も大きいんです。
まず、購入から3年以上経過している場合、ヘッドの故障だけでなく「バッテリー」の寿命も確実に近づいています。ダイソンの純正バッテリー交換費用は約10,000円〜13,000円程度。もし今、2万円かけてヘッドを直したとしても、半年後にバッテリーが寿命を迎えれば、合計で3万円以上の出費になりますよね。そうなると、あと少し予算を足せば、最新の軽量モデルであるDigital Slimや、吸引力が格段に進化したDyson V12 Detect Slimが手が届く範囲に来てしまいます。古いモデルは重量も重いため、この機会に軽量・高機能な新機種へ乗り換えるほうが、日々の掃除の負担を減らせるという「時間的・体力的メリット」も大きいんです。
逆に、購入から2年以内でバッテリーの持ちも悪くない(標準モードで公称通り20〜30分以上動く)のであれば、ヘッド単体の購入で延命するのが最もコストパフォーマンスに優れた賢い選択と言えます。ヘッドは消耗品に近い側面もあるため、そこだけ新しくすれば吸引効率も復活し、新品同様の使い心地が戻ってきます。バッテリーの状態を正確にセルフチェックする方法については、実際に私がバッテリー寿命を検証したこちらの記事が非常に参考になるはずです。
実際に私が試した結果や詳細は、以下の記事で分かりやすく解説しています。

安価な「互換品ヘッド」はアリ?純正品との違いと注意すべきリスク

Amazonや楽天などのECサイトを見ていると、3,000円〜6,000円程度で販売されている「ダイソン対応互換ヘッド」をよく見かけます。純正品の3分の1以下の価格で買えるため、お財布に優しく魅力的に見えるはずです。最近の互換ヘッドには、純正の旧モデルにはなかった「LEDライト」が搭載されているものもあり、暗い場所の掃除に便利という声も実際にあります。
安物買いの銭失いにならないよう、現在の愛機の価値を正しく評価してあげてくださいね。
しかし、プロの視点から言わせていただくと、安易な互換品の使用には3つの大きなリスクが伴います。1つ目は「吸引効率の決定的な低下」です。ダイソンの純正ヘッドは、床との密閉度を100分の1ミリ単位で計算し、効率よくゴミを吸い上げるように設計されていますが、互換品は隙間が多く、せっかくのダイソンの強力な吸引力が逃げてしまい、砂ゴミや微細なホコリを吸い残すことが多々あります。 2つ目は「耐久性と騒音」です。内部のギアやベアリングの精度が低いため、「ガリガリ」という異音が出やすかったり、数ヶ月で回転が弱まってしまったりという故障報告が後を絶ちません。3つ目は、これが最も重要ですが、「本体へのダメージと保証の喪失」です。互換品の使用によって本体の基板が過電流でショートした場合、メーカーの正規保証期間内であっても、保証は一切受けられなくなります。 (Dyson公式サイト:製品保証規約)
結論として、「保証が切れた古いV6やV7を、壊れるまで安く延命したい」という目的であれば互換品はアリな選択肢ですが、V10以上の比較的新しいモデルをお使いなら、長く安心して使い続けるために純正品を選ぶことを強くおすすめします。安物買いの銭失いにならないよう、現在の愛機の価値を正しく評価してあげてくださいね。
モーターの寿命かも?どうしても動かない時にチェックすべき最終サイン
あらゆるメンテナンス(清掃、接点の磨き、直結テスト)を施しても、どうしてもブラシが動かない……。そんな時、クリーナーヘッド内部のモーターが「物理的な寿命(ご臨終)」を迎えているサインがないか確認してください。以下の症状が見られる場合は、残念ながら自力での修復は不可能であり、部品交換または買い替えの「最終通告」です。
安全を最優先に考えましょう。
ヘッド完全故障・モーター死の最終判断基準チェックリスト
- 焦げ臭い匂い:ヘッド付近から「電気が焼けるような、独特な臭い」がする場合。これは内部モーターのコイルがショートし、焼き付いています。発火の恐れがあるため、ただちに使用を中止し、バッテリーを抜いてください。
- 異音(ガリガリ・ジャリジャリ音):ブラシを手で空回しした時に、明らかな「引っ掛かり」があったり、砂を噛んだような音がする場合。内部ギアの破損やベアリングの完全な固着が疑われます。
- 接続部の「白い筋」や変形:ヘッドの首振り部分(スイベルジョイント)のプラスチックに白い変色(ストレスマーク)や亀裂がある場合。中の配線が完全に引きちぎられている可能性が高いです。
- 水洗い後の不動:「洗った後に乾かして使おうとしたら動かなくなった」場合。内部基板が浸水により腐食しており、これは乾燥させても直ることはありません。
特に「ペットを飼っているご家庭」では、微細な毛がモーターの内部にまで侵入し、グリスと混ざって固着することで、短期間でモーター寿命を迎えるケースがあります。また、建築現場の粉塵(石膏ボードの粉など)を吸った場合も、ベアリングを瞬時に破壊します。ここまで来たら、自分の愛機に感謝しつつ、新しいパーツの手配か買い替えに踏み切るタイミングかもしれません。無理に分解して修理しようとすると、リチウムイオンバッテリーを積んだ製品だけに思わぬ事故に繋がる恐れもあります。安全を最優先に考えましょう。
ダイソン掃除機のヘッドが回らない時によくある質問(Q&A)
- パイプを通すと回らないのですが、やはり断線ですか?
-
その可能性が極めて高いです。直結テストでヘッドが回るのに、パイプを通すと回らない場合、パイプ内部の配線が日々の首振り動作による「金属疲労」で引きちぎられている(断線)か、パイプ両端の電気接点が奥に引っ込んでしまっています。この場合、2万円のヘッドを買う必要はなく、パイプ(約1万円以下)だけを買い替えるのが最短・最安の解決策です。
- 水洗いした後に全く動かなくなった場合は?
-
内部に水分が残ったまま通電し、制御基板がショートした可能性が高いです。運が良ければ「過負荷保護」が働いているだけかもしれませんが、一縷の望みをかけてバッテリーを外し、数日間(できれば1週間)除湿機の効いた部屋で放置してみてください。それでもダメなら、基板の故障で自力修理は困難ですので、パーツ交換か買い替えとなります。
- ソフトローラーの「フェルト(フエルト)」が剥がれても回らなくなりますか?
-
フェルトが剥がれること自体は電気的な故障ではありませんが、剥がれかけたフェルトが回転中に軸に巻き付くと、強力なストッパー(物理抵抗)になります。これがダイソンのセーフティ機能を働かせ、回転をストップさせる要因になるんです。剥がれを見つけたら、早めにアロンアルファ等で補修するか、新しいローラーへの交換を検討しましょう。
- 保証期間外(2年以上)でも無料で直るケースはありますか?
-
基本的にはすべて有償となりますが、例外もあります。過去に特定のモデルで「製品欠陥」によるリコールやサービスキャンペーンの対象になっていた場合、期間外でも無償対応となる可能性があるんです。まずはDyson公式サイトの「重要なお知らせ」を確認するか、チャットサポートへシリアルナンバーを伝えて確認してみる価値はありますよ。
まとめ:ダイソン掃除機のヘッドが回らないトラブルを自力で解決するポイント
ダイソンのクリーナーヘッドが回らなくなると「もう寿命かな」と諦めてしまいがちですが、ここまで解説してきた通り、実は簡単なメンテナンスや切り分けだけで直るケースが非常に多いんです。大切なのは、焦って高額な出費を決める前に、冷静に「どこでトラブルが起きているのか」を突き止めること。最後に、自力で解決し、無駄な損をしないための重要ポイントを振り返りましょう。
- 「直結テスト」は必須:本体・パイプ・ヘッドのどこが悪いのかを特定し、無駄なパーツ購入を防ぐ。
- 「3大・魔の端子」を清掃:目に見えない酸化皮膜やくすみをアルコールや接点復活剤で除去する。
- 「軸の根元」の隠れゴミを除去:エンドキャップを外し、ピンセットで毛髪を1本残らず抜き取る。
- 「24時間〜48時間乾燥」を徹底:水洗い後の生乾き使用は、本体を破壊する最大の原因。
- 修理か買い替えかは「3年」が目安:バッテリー寿命も考慮し、3年以上なら買い替えの方が結果的に安上がりになることも。
ダイソンは世界的に愛される非常に精密な家電ですが、その性能を維持するためには、ほんの少しの正しいケアが必要です。この記事で紹介した手順を一つずつ試して、あなたのダイソンが再び「スルスル」と快適に走り出すことを心から願っています!もし「ついでにバッテリーも弱っているかも……」と感じたら、私が詳しく解説している寿命診断の記事もあわせてチェックしてみてくださいね。愛機を長く、賢く使い続けていきましょう!

