2025年8月に発売が予定されているマキタの新型工具、40Vmax充電式レシプロソーJR003Gについて、JR003Gとは一体どのような性能を持つモデルなのか、気になる発売日はいつで、想定される値段はどのくらいなのか、そして詳細な製品情報について知りたいと考えていませんか。
さらに、既存の旧モデルとの比較や、最大の競合製品となるハイコーキとの比較も購入を検討する上で重要なポイントでしょう。
実際の現場での使用用途は何か、少しでもお得に購入する方法はあるのか、そして初めての方でも分かる充電式モデルのパイプソーの使用方法から、性能を最大限に引き出すための関連アクセサリーまで、この記事であなたの全ての疑問に詳しくお答えします。
- マキタJR003Gの価格や発売日、詳細なスペック
- 競合のハイコーキ製品やマキタ既存モデルとの違い
- プロの現場で想定される具体的な使用シーンと正しい使い方
- 必須のアクセサリーと賢い購入方法
マキタ新製品JR003G充電式レシプロソーの概要
- JR003Gとはどんな電動工具?
- 気になる発売日は2025年8月
- 本体のみの値段は108,000円
- JR003Gの詳しい製品情報
- ライバル機ハイコーキとの比較
- マキタ旧モデルとの比較ポイント
JR003Gとはどんな電動工具?

マキタから新たに発表されたJR003Gは、単なるレシプロソーではありません。これは、着脱可能なチェーンバイスを搭載し、大径パイプの切断に特化したプロフェッショナル向けの「充電式パイプソー」です。
主な特徴は、本体に取り付けられたチェーンでパイプを強固に固定できる点にあります。これにより、切断時のブレや振動を大幅に抑制し、作業者はテコの原理を利用して少ない力で効率的に作業を進めることが可能になります。特に、水道管やガス管などのインフラメンテナンスや、プラント設備での配管工事といった、高い精度と安全性が求められる現場でその真価を発揮するでしょう。
これまでマキタの充電式工具ラインナップにはなかったカテゴリーの製品であり、40Vmaxシリーズのパワーを活かして、これまでエンジン式やAC電源式の工具が主流だった領域に本格的に参入する、戦略的なモデルと言えます。
JR003Gの核心
- チェーンバイスでパイプを固定する「充電式パイプソー」
- 40Vmaxシリーズのパワーを活かしたプロ向け高負荷作業用モデル
- 安定性と精度を追求し、作業者の負担を軽減する設計
気になる発売日は?
マキタ JR003Gの公式な発売年月は2025年8月とアナウンスされています。電動工具市場、特に専門的な製品においては、この発売時期が非常に興味深い点です。
最大の競合製品であるHiKOKI(ハイコーキ)の同クラス製品「CR36DYA」が2022年8月に発売されていることを考えると、マキタは約3年間の期間を経て市場に投入することになります。この時間差は、マキタが競合製品を徹底的に分析し、市場のフィードバックを製品設計に反映させるための戦略的な期間であったと推測できます。その結果が、後述する軽量・コンパクトな設計思想に繋がっていると考えられます。
豆知識:市場投入のタイミング
後発で製品を投入する場合、先行する製品の長所と短所を分析できるという大きなメリットがあります。JR003Gが、重量やサイズといったエルゴノミクス面で優位性を持っているのは、この開発期間があったからこそかもしれません。
本体のみの値段は?
JR003Gのメーカー希望小売価格は、108,000円(税別)です。この価格には、本体と専用のプラスチックケース、そして標準付属品のチェーンバイスやブレード1枚が含まれています。
販売されるモデルは「JR003GZK」となり、末尾の「ZK」が示す通り、バッテリー(充電池)と充電器は別売りです。これは、既にマキタの40Vmaxシリーズのバッテリーや充電器を所有しているプロユーザーを主なターゲットとしているためで、彼らが追加投資を抑えて新しいツールを導入しやすくするための販売戦略です。
購入時の注意点
初めてマキタの40Vmaxシリーズを購入する場合、この製品だけでは使用できません。別途、対応するバッテリー(BL4040など)と充電器(DC40RAなど)を揃える必要がありますのでご注意ください。
なお、実際の市場価格は希望小売価格よりも低くなることが一般的で、販売店によっては7万円台で提供される可能性も考えられます。
JR003Gの詳しい製品情報

JR003Gの性能を決定づける詳細な技術仕様は、プロユーザーにとって最も重要な情報です。ここでは、その主要なスペックを表にまとめました。
項目 | 仕様 |
---|---|
モデルNo | JR003G |
電源 | 直流36V (40Vmax) |
モーター | ハイパワーブラシレスモーター |
最大ストローク数 | 0~2,200 min⁻¹ (回/分) |
ストローク長 | 26 mm |
切断能力 (バイス使用時) | 鋼管/ステンレス管/鋳鉄管: ø220mm モルタルライニング鋳鉄管: ø169mm |
切断能力 (バイス不使用時) | パイプ: ø130mm、木材: 255mm |
本機寸法 (長さx幅x高さ) | 583 x 103 x 152 mm |
質量 (BL4040装着時) | 4.5 kg |
主要機能 | 着脱式チェーンバイス、定回転制御、防水保護等級IPX6、アプト(APT) |
特に注目すべきは、「定回転制御」機能です。これは、厚い鋼管などを切断する際に大きな負荷がかかっても、マイコンが自動で回転数を維持しようとする機能です。これにより、作業中の速度低下を防ぎ、安定した切断スピードを保つことができます。また、防水保護等級IPX6に準拠しており、水場での作業も安心して行える高い耐環境性能も備えています。
ライバル機ハイコーキとの比較
項目 | マキタ JR003G | HiKOKI CR36DYA |
---|---|---|
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最大ストローク数 | 2,200 min⁻¹ | 2,000 min⁻¹ |
ストローク長 | 26 mm | 26 mm |
質量 (バッテリー装着時) | 4.5 kg | 4.8 kg |
寸法 (長さx幅x高さ) | 583x103x152 mm | 616x165x115 mm |
本体価格 (税別) | 108,000円 | 105,100円 |
発売年月 | 2025年8月 | 2022年8月 |
比較表から分かる通り、JR003GはCR36DYAに比べてわずかにストローク数が多く、それでいて軽量かつコンパクトに設計されています。特に、300gの重量差と、本体の幅・高さのスリムさは、長時間の作業や狭い場所での取り回しにおいて、作業者の疲労軽減に大きく貢献する可能性があります。
マキタは後発の利を活かし、エルゴノミクス(人間工学)の面で差別化を図ってきたと見ることができます。一日中工具を扱うプロにとって、このわずかな差が生産性に直結することも少なくありません。性能が拮抗しているからこそ、こうした使い勝手の良さが選択の決め手になるかもしれませんね。
マキタ旧モデルとの比較ポイント

「旧モデルとの比較」という観点では、JR003Gは既存モデルの後継機ではなく、全く新しい専門分野のモデルと理解することが重要です。マキタの40Vmaxレシプロソーには、汎用の「JR001G」と解体向けの「JR002G」が存在しますが、これらはJR003Gとは設計思想が根本的に異なります。
モデル | JR001G | JR002G | JR003G |
---|---|---|---|
主要用途 | 汎用切断 | 高速解体 | 重量級配管切断 |
主要技術 | ハイパワー | AVT, オービタル | チェーンバイス, 定回転制御 |
最大ストローク数 | 3,000 min⁻¹ | 3,000 min⁻¹ | 2,200 min⁻¹ |
ストローク長 | 32 mm | 32 mm | 26 mm |
質量 | 4.2 kg | 4.5 kg | 4.5 kg |
設計思想の違い
JR001G/JR002Gが木材解体などでスピードを重視するため、長いストローク(32mm)と速いストローク数(3,000回/分)を備えているのに対し、JR003Gは金属管の切断に最適化されています。硬い金属を切る際は、速さよりもトルクと制御性が重要です。そのため、あえてストローク長を短く(26mm)、ストローク数を低く(2,200回/分)設定し、ブレードの暴れを抑え、モーターの力を確実に材料に伝える設計になっています。
機能の戦略的省略
また、JR002Gに搭載されている低振動機構「AVT」や、木材を高速で切るための「オービタルモード」がJR003Gにはありません。これは、チェーンバイスで本体をパイプに固定することで、振動の大部分が作業者に伝わらなくなるためです。不要な機能を省略することで、重量やコストの増加を抑え、パイプ切断という中核機能に特化させているのです。
マキタ新製品JR003G充電式レシプロソーを徹底解説
- 具体的な使用用途はどんな場面?
- パイプソーの基本的な使用方法
- 揃えておきたい関連アクセサリー
- お得に購入する方法はあるのか?
- マキタ新製品JR003G充電式レシプロソーの総括
具体的な使用用途はどんな場面?

JR003Gは、その特性から特定の専門分野で絶大な効果を発揮します。主に想定されるのは以下のような現場です。
主な活躍の場
- インフラメンテナンス: 水道本管や下水管など、地面に埋設された鋳鉄管や鋼管の補修・交換作業。コードレスなので、電源確保が難しい溝の中や遠隔地での作業に最適です。
- 工業用配管工事: 工場や商業ビル内の太径ステンレス管や鋼管の設置、撤去作業。火花が出せない場所での切断にも重宝します。
- 解体作業: 建物のリフォームや解体時に、既存の配管設備を安全かつ精密に撤去する作業。フリーハンドのレシプロソーよりも周囲の構造物を傷つけるリスクを低減できます。
これらの作業に共通するのは、「大径」で「硬い」材料を「正確」に切断する必要があるという点です。JR003Gのチェーンバイスによる固定機能とハイパワーモーターは、まさにこうしたプロの要求に応えるために設計されています。
基本的な使用方法

JR003Gの性能を最大限に引き出し、安全に作業を行うための基本的な使用手順を解説します。
ステップ1:作業前の安全確認
まず、切断するパイプの内部や周囲に、電線やガス管などの危険物がないかを確認してください。また、安全ゴーグル、手袋、安全靴といった適切な保護具(PPE)を必ず着用します。
ステップ2:ブレードの選定と取り付け
切断する材料に合った専用ブレードを選びます。例えば、モルタルライニング鋳鉄管ならダイヤモンド砥粒の「DIAVise」、鋼管ならバイメタルの「BIVise」が推奨されます。ブレードの交換は工具不要で簡単に行えます。
ステップ3:チェーンバイスによる工具の固定
パイプにチェーンを巻き付け、フックに引っ掛けます。本体のハンドルを回してチェーンを締め上げ、工具がパイプにガタつかないよう、しっかりと固定します。「チェーン脱落防止バネ」が付いているため、一人でも作業しやすいのが特徴です。
ステップ4:切断の実行
ソーのシュー(先端の金属部分)をパイプにしっかり押し当てた状態でスイッチを入れます。最初は低速で切り込みを入れてガイドを作り、その後、材料に合わせて速度を調整しながら切断を進めます。工具の重さを利用して切るイメージで、無理に力を加える必要はありません。
安全に関する重要事項
工具が確実に固定されていない状態で使用すると、激しいキックバック(跳ね返り)が発生する危険があります。必ず、バイスで強固に固定されていることを確認してからスイッチを入れてください。また、金属切断時には高温の切り屑が飛散するため、周囲の安全にも配慮が必要です。
揃えておきたい関連アクセサリー

JR003Gを導入する際には、その性能を100%発揮させるために、いくつかのアクセサリーを揃える必要があります。
専用ブレード(性能の鍵)
JR003Gの切断能力は、使用するブレードによって大きく左右されます。用途に応じて最適なブレードを選ぶことが重要です。
- DIAVise(ダイヤモンド): モルタルがライニングされた鋳鉄管など、非常に硬い材料を切断するための必須ブレードです。 (例:A-00304)
- BIVise(バイメタル): 一般的な鋼管、ステンレス管、鋳鉄管の切断に使用します。刃の形状が湾曲しており、食い付きが良いのが特徴です。 (例:A-00267)
- ブレードクランプS (A-00348): チェーンバイスを使わず、通常のレシプロソーとして一般的なブレードを使用する際に必要となる別売りのアタッチメントです。
電源関連
JR003Gは本体のみの販売(JR003GZK)であるため、バッテリーと充電器が必須です。
- バッテリー: 40Vmaxシリーズのバッテリー(BL4025, BL4040, BL4050Fなど)が使用可能です。高負荷な作業を長時間行う場合は、容量の大きいBL4040以上のモデルを推奨します。
- 充電器: 急速充電器のDC40RAや、2本同時に充電できる2口タイプの充電器などがあります。
お得に購入する方法はあるのか?
高価なプロ向け工具であるJR003Gを、少しでも賢く購入するための方法をいくつか紹介します。
1. 既存のバッテリー資産を活用する
既にマキタの40Vmaxシリーズ製品をお持ちの方が最もコストを抑えられる方法です。バッテリーと充電器を使い回せるため、本体のみ(JR003GZK)を購入すればすぐに使用できます。
2. パワーソースキットを利用する
これから40Vmaxシリーズを導入する方は、マキタが提供している「パワーソースキット」の購入を検討しましょう。これは、バッテリー2個と充電器、ケースがセットになったもので、それぞれを単品で購入するよりも割安になっています。最初にこのキットを購入し、その後は必要な工具本体を買い足していくのが効率的です。
購入先の比較検討
価格は、Amazonや楽天市場といったオンラインストアと、地域の金物店などの専門販売店とで異なる場合があります。特に新製品の発売直後は、各販売店がキャンペーンを行うこともあるため、複数の店舗の価格を比較検討することをお勧めします。
マキタ新製品JR003G充電式レシプロソーの総括
この記事では、2025年8月に発売されるマキタの新型充電式レシプロソーJR003Gについて、その特徴から使い方、購入方法まで詳しく解説しました。最後に、本記事の重要なポイントをまとめます。
- JR003Gはチェーンバイスを搭載したプロ向けの充電式パイプソー
- 発売は2025年8月で、メーカー希望小売価格は108,000円(税別)
- バッテリーと充電器が別売りの本体・ケースセット(JR003GZK)で販売
- チェーンバイスによる強固な固定で、安定・高精度なパイプ切断が可能
- 水道管などのインフラメンテナンスや設備工事が主な用途
- ハイパワーブラシレスモーターと定回転制御で高負荷時も速度が落ちにくい
- 水場でも安心な防水保護等級IPX6に適合
- 競合のHiKOKI製に比べ、軽量・コンパクトでエルゴノミクスに優れる
- 既存の解体向けレシプロソーとは設計思想が異なる専門機
- 短いストローク長と低いストローク数は金属切断への最適化の結果
- モルタルライニング鋳鉄管を切断するには専用のダイヤモンドブレードが必須
- 使用時は安全確認と適切なブレード選定が重要
- 既存40Vmaxユーザーは本体のみの購入が最も経済的
- 新規ユーザーはパワーソースキットの活用を推奨
- 汎用工具ではなく、大径パイプ切断の専門家にとって価値の高い一台