マキタのエンジンチェーンソーは廃盤?後継5選と違いを解説

マキタのエンジンチェーンソーをお探しで、そのパワフルな性能や実際の評判について詳しく知りたいと考えているのではないでしょうか。しかし、実はマキタのエンジンチェーンソーはすでに生産を終了しており、現在ではその後継となる、より高性能で使いやすい充電式モデルが市場の主流となっています。

この記事では、まず「マキタのエンジンチェンソーは廃止されたのか?」という疑問にお答えし、過去のエンジンチェンソー評判や特殊な燃料に関する知識を深掘りします。

その上で、後継機として注目されるプロ向けパワーのMUC002GRDXや万能機MUC254D、さらには剪定作業を革新するMUC150D、圧倒的なコストパフォーマンスを誇るMUC3541、そして今なお名機として語られるMEA3201Mまで、5つの重要モデルを徹底比較。多くの方が混同しがちな本体カラーの赤と青は何が違うのか、そしてマキタの電動工具選びで最大の分岐点となる「40Vと18Vのどっちがいいのか?」という問題についても、専門的な視点から詳しく解説していきます。

記事のポイント
  • マキタ製エンジンチェーンソーが生産終了した正式な背景と今後のサポート
  • 過去のエンジンモデルが持つ具体的な長所と、多くのユーザーを悩ませた短所
  • エンジン式の後継となる主要な現行モデル5つの詳細なスペックと特徴
  • 利用者の目的別に最適化されたバッテリー電圧(40V・18V)や本体カラーによる性能差
目次

マキタ エンジンチェーンソーの基本情報

  • マキタのエンジンチェンソーは現在廃止
  • 過去モデルのエンジンチェンソー評判は?
  • エンジンチェンソーの燃料仕様まとめ
  • チェンソーの赤と青は何が違うの?
  • 結局40Vと18Vはどっちがいい?

マキタのエンジンチェンソーは現在廃止

まず最も重要な結論からお伝えすると、株式会社マキタの公式発表の通り、2022年3月31日をもって同社はエンジン製品の生産を完全に終了しました。これは、一部のモデルが廃番になったという話ではなく、チェーンソーを含む刈払機やブロワなど、エンジンを動力源とする全ての工具カテゴリからの戦略的撤退を意味します。

この大きな決断の背景には、単なる市場の変化だけでなく、マキタ自身の確固たる技術への自信があります。世界的な脱炭素化の流れと環境意識の高まりが、排出ガスを出すエンジン工具からクリーンなバッテリー工具へのシフトを加速させたことは間違いありません。それに加え、マキタが長年培ってきたリチウムイオンバッテリーと高出力ブラシレスモーターの技術が飛躍的に向上。その結果、プロの過酷な現場で要求されるエンジン式と同等、あるいは特定の用途ではそれを超える性能を持つ充電式モデルを安定して供給できるようになったのです。

つまり、マキタは自社の経営資源を、より将来性があり、ユーザーの利便性を高める充電式製品群に集中させるという、未来を見据えた戦略的な選択を行いました。このため、現在、国内の正規販売ルートで新品のマキタ製エンジンチェーンソーを入手することは不可能となっています。

生産終了とアフターサービスについて

マキタはエンジン工具から完全に撤退し、高性能な充電式モデルへ完全に舵を切りました。ただし、既存のエンジン製品ユーザーのために、修理や部品供給といったアフターサービスは当面継続されるとアナウンスされています。お持ちの製品のサポートについては、最寄りのマキタ営業所へお問い合わせください。

過去モデルのエンジンチェンソー評判は?

すでに生産が終了したマキタのエンジンチェーンソーですが、市場ではその性能と使い勝手について、毀誉褒貶相半ばする評価を受けていました。過去の人気モデル(MEA3600MやMEA4300Gなど)のレビューを深く分析すると、その具体的な長所と、多くのユーザーを悩ませた短所が鮮明になります。

長所:信頼性の高い圧倒的なパワーと切れ味

肯定的な評価の中で最も一貫していたのは、その「圧倒的なパワーと切断性能」です。多くのユーザーが「直径30cm以上の硬い広葉樹の玉切りも難なくこなせる」とそのパワフルさを称賛しています。また、工具を使わずに現場でチェーンの張り調整ができる「楽らくスタート」機能や、金属スプリングとゴムダンパーを組み合わせた高度な防振構造など、長時間の作業でも疲労を軽減するプロ向けの設計が高く評価されていました。

短所:始動性の悪さと専門的なメンテナンスの手間

一方で、否定的な評価も少なくありませんでした。特に頻繁に指摘されていたのが、エンジンが冷えている状態での始動性の悪さ、いわゆる「冷間時の始動困難」です。これは2ストロークエンジン特有の現象でもありますが、「いざという時にすぐ使えない」「始動だけで疲れてしまう」といった声は、多くのユーザーにとって無視できないストレスでした。もちろん、キャブレターの定期的な調整、スパークプラグやエアフィルターの清掃・交換といった専門的なメンテナンスが不可欠な点も、手軽さを求める一般ユーザーにとっては大きなデメリットと感じられていました。

エンジン式が抱える構造的な課題

エンジンチェーンソーの魅力的なパワーは、その裏側で、始動の不安定さ、混合燃料の管理、定期的な専門メンテナンスといった数々の手間と引き換えに得られるものでした。これらの構造的な課題が、ボタン一つで最大パワーを発揮できる現代の便利な充電式モデルへの移行を力強く後押ししたと言えるでしょう。

エンジンチェンソーの燃料仕様まとめ

マキタのエンジンチェーンソーは、自動車のようにガソリンをそのまま給油して使用することはできません。2ストロークエンジン特有の「混合燃料」を燃料としています。これは、無鉛レギュラーガソリンと、潤滑作用を持つ専用の2ストロークエンジンオイルを、正確な比率で混ぜ合わせたものです。

なぜなら、2ストロークエンジンには、自動車の4ストロークエンジンのように内部を潤滑するエンジンオイルを貯めておく機構がないため、燃料と一緒に潤滑オイルを燃焼室に送り込む必要があるからです。この混合比はエンジンの性能と寿命を左右する極めて重要な要素で、一般的にはガソリンとオイルの比率が25:1から50:1の範囲で厳密に指定されています。

比率を間違えたり、質の悪いオイルを使用したりすると、潤滑不足によるエンジンの焼き付きや、カーボンの堆積による性能低下など、致命的なトラブルに直結します。このように、燃料の管理に専門的な知識と手間がかかる点も、エンジン式の大きなデメリットの一つでした。

燃料の種類混合燃料(2ストロークエンジン用)
使用ガソリン無鉛レギュラーガソリン
使用オイルマキタ純正2ストロークエンジンオイル
または JASO分類FC級以上の高品質オイル
代表的な混合比25:1 または 50:1(使用するオイルの指定による)

混合燃料の取り扱いに関する重要注意点

混合燃料は、時間が経つと成分が分離・酸化して劣化し、エンジントラブルの直接的な原因となります。そのため、作り置きは絶対に避けるべきです。面倒でも、使用する分だけをその都度作成し、常に新鮮な状態で使用することが、エンジンを長持ちさせる秘訣です。

チェンソーの赤と青は何が違うの?

マキタの充電式チェーンソーを調べていると必ず目にする「赤」と「青」のカラーバリエーション。これは単なる好みのデザインで選ぶものではなく、工場出荷時に装着されているソーチェーンの仕様が根本的に異なることを示す、プロ向けの機能的な識別子です。

経験豊富なユーザーは本体の色を見るだけで、そのチェーンソーが持つ切断特性や最適な用途を瞬時に判断できます。それぞれの特性を理解することが、最適な一台を選ぶ上で非常に重要です。

赤モデル:プロ向けの精密仕上げ仕様「25AP」

赤いボディのモデルは、主にプロ仕様の「25AP」というソーチェーンを標準装備しています。このチェーンは、一つ一つの刃(カッター)が小さく、刃の数が多いため、切断時の振動が少なく、木材への食い込みが非常に滑らかです。その結果、まるで鉋(かんな)をかけたような美しい切断面が得られます。仕上がりを何よりも重視するプロの造園家や、樹木を傷つけたくないアーボリスト(樹木医)から絶大な支持を得ています。

青モデル:スピードと安全性重視の汎用仕様「80TXL / 91PX」

青いボディのモデルは、主に「80TXL」「91PX」といった、異なる特性を持つソーチェーンを装備しています。
「80TXL」は「薄刃」と呼ばれる設計で、切断時に削り取る木材の量が少ないため抵抗が減り、バッテリーの消費を抑えつつスピーディーな切断が可能です。
一方で「91PX」は、キックバック(刃が硬い部分に当たって本体が作業者側に跳ね返る危険な現象)を抑制する安全ガードが付いた刃が特徴で、初心者でも比較的安全に扱えるよう設計されています。薪作りから枝払いまで、幅広い作業に対応するオールラウンドな仕様です。

本体カラー代表的なチェーン仕様主な特徴最適なユーザーと用途
25AP精密・滑らか・低振動。美しい切断面。仕上がりを重視するプロの造園家、アーボrist、硬木の剪定。
80TXL / 91PX高速切断、またはキックバック抑制(安全性)スピード重視のユーザー、一般的な伐採、薪作り、初心者から中級者。

結局40Vと18Vはどっちがいい?

マキタの充電式モデルを選ぶ上で、避けては通れないのが「40Vmax」と「18V」という2つのバッテリーシステムの選択です。これは単に「電圧が高い方がパワフル」という単純な話ではなく、将来的な工具の拡張性や運用コストにも関わる、非常に戦略的な判断になります。

結論から言うと、どちらか一方が絶対的に優れているわけではなく、ユーザーが「何を最も重視するか」によって最適なシステムが決まります。

40Vmax XGTシリーズ:エンジンを完全に代替する「究極のパワー」

40Vmaxシリーズ(XGT)は、エンジン工具やAC100Vのコード式工具が使われてきた最も過酷な現場で、それらを完全に置き換えることを目的にゼロから設計された、マキタの次世代ハイパワーシステムです。そのパワーはエンジン式の30mL~50mLクラスに匹敵し、これまで充電式では不可能とされてきた高負荷な連続作業を可能にします。ただし、既存の18Vバッテリーとの互換性は一切なく、完全に独立したエコシステムであるため、導入には新しいバッテリーと充電器への高額な初期投資が伴います。

18V LXTシリーズ:世界最大級の製品群がもたらす「圧倒的な汎用性」

18Vシリーズ(LXT)の最大の魅力は、その圧倒的な製品ラインナップと、それによる汎用性にあります。チェーンソー用に購入したバッテリーを、インパクトドライバーや丸ノコ、草刈り機、掃除機、さらには現場用のコーヒーメーカーまで、400機種以上(2023年時点)の膨大な工具・家電製品と共有できます。チェーンソー自体のパワーもエンジン式23mLクラスに相当し、DIYから多くのプロの日常作業までを十分にカバーします。システム全体で考えた時の長期的なコストパフォーマンスは計り知れません。

【選択の核心】パワーの40Vmaxか、汎用性の18Vか

あなたの選択は、この2つのトレードオフで決まります。

  • 40Vmaxを選ぶべき人:最大のパワーが絶対条件。太い木の伐採など、エンジン式でないと不可能だった作業をコードレスで行いたいプロフェッショナル。
  • 18Vを選ぶべき人:幅広い工具でバッテリーを共有し、システム全体の価値を最大化したい人。パワーと取り回しやすさの最適なバランスを求めるプロシューマーや多くの専門家。

マキタ エンジンチェーンソーの代替候補5選

  • MEA3201M
  • MUC002GRDX
  • MUC254D
  • MUC150D
  • MUC3541
  • 今選ぶべきマキタのエンジンチェーンソー

MEA3201M

MEA3201Mは、マキタがエンジン工具全盛期に販売していた製品群の中でも、特に軽量性と扱いやすさで高い評価を得た「レガシー(遺産)」と呼ぶにふさわしい一台です。現在は生産を終了しており、入手方法は中古市場に限られますが、エンジン式の性能や使用感を理解する上での優れたベンチマーク(基準点)となります。

モデルの概要と特徴

心臓部には排気量32mLの2ストロークエンジンを搭載。家庭での薪作りから、農地管理における直径30cmクラスの立木伐採まで、幅広い用途をカバーする十分なパワーを備えています。当時としては先進的であった工具レスでのチェーン調整機能や、ユーザーの快適性を考慮した防振構造も採用されており、多くのユーザーから「パワーと軽さのバランスが良い」と支持されました。

このモデルは、キャブレターや点火プラグが適切にメンテナンスされていれば、現代の基準でも十分な切断性能を発揮します。ただ、前述の通り、エンジン式特有の始動性の問題や、専門知識を要するメンテナンスの手間は避けられません。これから新たにチェーンソーの購入を検討するなら、このモデルの使用感を基準に、後述する最新の充電式モデルがいかに手軽で快適かを比較検討することをおすすめします。

メリット

最大のメリットは、バッテリー残量や電源コードの長さに縛られることなく、燃料とオイルさえあればどこでも作業を継続できる完全な機動性です。また、長い販売実績に裏打ちされた、実証済みの設計も信頼性の要素です。

デメリット

業界全体のバッテリー化への移行を象徴する廃番モデルであること。混合燃料の準備、定期的なエンジンメンテナンス、そして大きな騒音と排出ガスは避けられません。特に冷間時の始動が困難な場合がある点は最大の課題です。

MUC002GRDX

MUC002GRDXは、マキタが持つ充電式工具技術の粋を集めて開発された、プロフェッショナル向けの40Vmaxフラッグシップモデルです。エンジン式のあらゆる課題(騒音、メンテナンス、排出ガス、始動の手間)を克服しつつ、それに匹敵する圧倒的なパワーを求める、妥協を知らないユーザーにとって唯一無二の選択肢となります。

モデルの概要と特徴

その性能は、マキタ自身が「エンジン式30mLクラスに匹敵する」と公称しており、ソーチェーンの回転速度は最大で毎秒25.5mに達します。これは多くのエンジン式を凌駕するスピードであり、中径木の伐採や大量の玉切りといった高負荷な作業を、驚くほどスムーズかつ静かにこなします。また、本体は防滴・防じん構造「IPX4」に準拠しており、突然の雨や粉塵の多い厳しい現場環境でも性能を発揮する高い耐久性を備えています。

【重要】安全装備の義務化について

チェーンソーは非常に便利な道具ですが、一歩間違えれば重大な事故につながる危険性も伴います。日本では、厚生労働省の通達により、2020年8月から、事業として伐木作業などを行う際に防護ズボン(チャップスなど)の着用が義務化されました。個人の作業であっても、安全のために必ず適切な保護具を着用してください。

メリットとデメリット

妥協のないコードレスパワーと卓越した切断スピード、そしてボタン一つで即始動する手軽さが最大のメリットです。燃料の準備や面倒なメンテナンスから解放される快適さは、作業の生産性を飛躍的に向上させます。
しかし、デメリットは40Vmaxという新しいシステムへの高額な初期投資が避けられない点です。バッテリーと充電器を含めると、エンジン式の同クラスモデルよりも高価になります。また、世界で最も普及している18Vシリーズとのバッテリー互換性がない点も、慎重な判断が必要です。

どんなユーザーに最適か?

林業や造園業のプロ、広大な私有地を管理するオーナーなど、日常的にチェーンソーを使用し、コードレスの利便性と最高のパワーを両立させたいユーザーにとって、これは究極の選択と言えるでしょう。

MUC254D

MUC254Dは、プロ向けの確かな性能、軽量で優れた重量バランス、そしてマキタ最大の武器である広大な18V LXTエコシステムとの連携という、全ての要素が完璧なバランスで融合した、18Vシリーズを代表する究極のオールラウンダーモデルです。

モデルの概要と特徴

その性能はエンジン式23mLクラスに相当し、庭木の剪定といった軽作業から、小径木の伐採、災害後の倒木処理、薪作りまで、家庭用としても業務用としても非常に幅広い用途を一台で余裕をもってこなします。このモデルの真骨頂は、直径10cm程度の太い枝を切断する際に、一時的に電流制限を引き上げて粘り強く高速切断を維持する「太枝モード」の搭載です。このインテリジェントな電力制御機能が、18Vという電圧の限界を押し広げ、 użytkownikaにワンランク上の切断体験を提供します。

メリットとデメリット

最大のメリットは、購入したバッテリーを、世界最大級の製品数を誇るマキタの18V工具群と完全に共有できる点です。これは単にチェーンソー一台への投資ではなく、マキタの道具で生活や仕事を豊かにする「エコシステム全体への投資」となり、長期的に見て最高の資産価値を提供します。軽量で取り回しやすい点も、長時間の作業での疲労を大幅に軽減します。
一方で、デメリットを挙げるとすれば、連続した高負荷作業、特に太枝モードを多用する状況では、バッテリーの持続時間が制約となる可能性がある点です。大径木の連続した玉切りなどには、やはり40Vmaxモデルに軍配が上がります。

MUC150D

MUC150Dは、一般的な「木を切り倒す」ためのチェーンソーとは一線を画す、剪定(せんてい)作業の効率を劇的に向上させるために生まれた、18Vの特殊ツール「充電式ハンディソー」です。最大限の携帯性と、入り組んだ場所でも自在に扱える片手での操作性を追求した、まさに「切断機器」と呼ぶにふさわしいモデルです。

モデルの概要と特徴

わずか約2.0kg(バッテリー装着時)という軽量コンパクトなボディに、高出力なブラシレスモーターを搭載し、その小さな見た目からは想像もつかないほどの切断能力を発揮します。特筆すべきは、このサイズでありながら、チェーンオイルの自動給油機能や、工具を使わずにチェーンの張り調整・交換ができるといった、通常は大型機にしか搭載されないプロ向けの機能が標準装備されている点です。高所での作業や、密集した枝の間など、従来のチェーンソーでは危険で作業しづらかった場所で、その圧倒的な利便性を発揮します。

メリットとデメリット

剪定作業における比類なき携帯性と卓越した操作性が最大のメリットです。これまで大変な労力を要した手鋸(のこぎり)での作業と、取り回しが大変だった大型チェーンソーとの間の決定的なギャップを完璧に埋め、作業効率を劇的に向上させ、疲労を大幅に軽減します。
ただし、これはあくまで剪定用の特殊ツールです。その切断能力は直径10cm程度までの小径木や枝に厳密に限定され、本格的な伐採や玉切り作業の代替品にはなり得ないことを理解しておく必要があります。

剪定作業がメインなら「最高の相棒」に

主な作業が庭木の手入れ、果樹園の管理、造園における精密な剪定であるすべてのユーザーにとって、MUC150Dは仕事のスタイルそのものを変えてしまうほどの革新的なツールとなり得ます。

MUC3541

MUC3541は、バッテリーもエンジンも搭載しない、家庭用コンセント(AC100V)から直接電力を供給するコード式の電動チェーンソーです。充電式の手軽さやエンジン式の機動性はありませんが、その制約を受け入れることで、他の追随を許さない驚異的なコストパフォーマンスと、安定したパワーを提供します。

モデルの概要と特徴

心臓部には強力な1,430Wのモーターを搭載。これにより、燃料切れやバッテリー切れといったパワー低下の心配なく、常に安定した高トルクの切断性能を維持します。多くのユーザーレビューでは、「直径30cmを超える硬い薪もストレスなく切断できる」とそのパワーに驚きの声が上がっています。また、この価格帯の製品でありながら、利便性の高い「工具レス」でのチェーン調整機能を備えている点も、マキタ製品ならではの魅力です。

延長コードの選定に注意

コード式モデルでハイパワーを維持するためには、延長コードの選定が非常に重要です。細すぎるコードや長すぎるコードを使用すると電圧が低下し、モーターの性能を十分に発揮できないだけでなく、故障の原因にもなります。必ず製品の仕様に合った、太くて短い延長コードを使用してください。

メリットとデメリット

最大のメリットは、他のどのタイプよりも安価にハイパワーな切断能力を手に入れられる、卓越したコストパフォーマンスです。バッテリーや充電器にかかる数万円の追加費用が不要なため、初期投資を大幅に抑えられます。また、バーオイルの補充と清掃以外の専門的なメンテナンスがほぼ不要な点も、たまにしか使わないユーザーにとっては大きな魅力です。
言うまでもなく、最大のデメリットは、電源コードによって行動範囲が厳しく制限されるため、機動性が皆無であることです。

自宅の庭やガレージ、工房など、電源へのアクセスが容易な場所での薪作りやDIYプロジェクトが主な用途であれば、MUC3541は最も合理的で経済的な、まさに「賢者の選択」と言えるでしょう。

モデル名動力源電圧/排気量特徴重量の目安¹最適なユーザー像
MEA3201Mエンジン32mL廃番。電源のない場所での機動力。約4.2kg伝統的なエンジン式を好むユーザー、中古市場での比較基準。
MUC002GRDX充電式40Vmaxエンジン式30mLクラス同等の最強パワー。プロ仕様。約3.8kgパワーに一切妥協しないプロ、林業・造園業者。
MUC254D充電式18V最高のバランスと汎用性。太枝モード搭載。約3.1kg幅広い用途で使いたいプロシューマー、多くの専門家。
MUC150D充電式18V剪定特化の軽量ハンディタイプ。約2.0kgアーボリスト、造園家、果樹園管理者など剪定が主体のユーザー。
MUC3541AC電源100V圧倒的なコストパフォーマンス。定置作業向け。約4.5kg自宅や工房で薪作りやDIYを行うホームオーナー。
¹重量はバッテリー装着時または燃料満タン時のおおよその参考値です。

今選ぶべきマキタのエンジンチェーンソー

この記事では、マキタのエンジンチェーンソーが廃止されたという事実とその背景、そしてそのDNAを受け継ぎ、さらに進化した後継モデルたちを詳しく解説しました。様々な比較検討を行いましたが、結論として、今からあえて中古のエンジンチェーンソーを探してまで選ぶ理由は極めて少なく、ご自身の主な用途と予算に合った最新の充電式、またはコード式モデルを選ぶことが最も賢明で、満足度の高い選択と言えます。

  • マキタは2022年3月末をもってエンジン製品の生産を完全に終了した
  • 生産終了の背景には世界的な環境意識とマキタ自身のバッテリー技術の進化がある
  • 過去のエンジンモデルはパワフルだったが始動性やメンテナンス性に課題があった
  • 現行の充電式モデルの「赤」は仕上がり重視のプロ向け精密仕上げ用チェーン(25AP)
  • 現行の充電式モデルの「青」はスピードや安全性重視の汎用チェーン(80TXL/91PX)
  • 40Vmaxシリーズはエンジン式を完全に代替する究極のパワーを求めるプロ向け
  • 18Vシリーズは400機種以上の工具とバッテリーを共有できる圧倒的な汎用性が魅力
  • もはやエンジン式の機動性が必要な場面はほぼ40Vmaxモデルで代替可能になっている
  • レガシーモデルMEA3201Mはエンジン式の性能を知る上での良い比較基準となる
  • MUC002GRDXはパワーに一切妥協しないプロのための最高の40Vmaxモデル
  • MUC254Dは性能と汎用性のバランスが最も優れた18Vのオールラウンドモデル
  • MUC150Dは剪定作業の効率を劇的に向上させる18Vの革新的な特殊モデル
  • MUC3541は電源が確保できる定置作業において最高のコストパフォーマンスを誇る
  • バッテリーの共有(エコシステム)はマキタ製品を選ぶ上で非常に重要な戦略的要素
  • 自身の主な作業内容と場所を明確にすることが最適な一台を選ぶための最短ルート
  • チェーンソー作業では必ず防護ズボンなどの安全装備を着用する
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