マキタの最新インパクトドライバー、TD173Dの購入を検討しているものの、実際の口コミやメリット・デメリットが気になりますよね。また、マキタインパクトドライバーの最上位モデルは本当にこれなのか、TD172DZとTD173DZの違いは何ですか?という疑問や、マキタとハイコーキ どっちがいい?というライバル比較も重要なポイントです。
さらに、マキタ インパクト 40Vと18V どっちがいいのかという電圧選び、インパクトドライバーでできること、豊富なビットやアタッチメントの種類についても知りたいところでしょう。
この記事では、TD173Dの詳しい製品情報から、マキタTD173DRGXの値段、さらにはマキタの他のインパクトドライバーとの比較まで、あなたの全ての疑問に答えるための詳細なレビューをお届けします。
- TD173Dの基本スペックと旧型からの進化点
- 主要競合機(HiKOKI・40Vmax)との違い
- ユーザーのリアルな口コミとメリット・デメリット
- 価格やアクセサリー、拡張性に関する情報
TD173D レビュー:基本性能を徹底解説
- TD173Dの製品情報とスペック
- マキタの最上位モデルはTD173D?
- TD172DZとTD173DZの違いを比較
- インパクトドライバーでできること一覧
- 豊富なビット・アタッチメント種類
- TD173DRGXの値段とセット内容
TD173Dの製品情報とスペック

2023年1月に発売されたマキタのTD173Dは、18V充電式インパクトドライバーのフラッグシップモデルです。このモデルは単なるパワーアップではなく、ユーザーの使いやすさ(ユーザビリティ)を極限まで追求した設計が特徴と言えます。プロの職人から本格的なDIYユーザーまで、幅広い層のニーズに応えるための革新的な機能が多数搭載されています。
まずは、TD173Dの基本的な性能を把握することが重要です。以下の表に主要なスペックをまとめました。
項目 | 仕様 |
---|---|
最大締付けトルク | 180 N・m |
回転数(最速モード) | 0~3,600 min⁻¹(回転/分) |
打撃数(最速モード) | 0~3,800 min⁻¹(回/分) |
ヘッド全長 | 111 mm |
質量(BL1860B装着時) | 1.5 kg |
締付け能力 | 小ネジM4~M8、普通ボルトM5~M16、高力ボルトM5~M14、コーススレッド22~125mm |
1充電あたりの作業量目安 | 木ネジ(φ5.4×90mm)約550本 |
スペックのポイント
最大トルクや回転数といった基本的な動力性能は、前モデルのTD172Dから据え置きとなっています。しかし、ヘッド全長が111mmとさらに短くなったことで、狭い場所での取り回しが向上しました。TD173Dの真価は、こうした数値の裏にある細やかな改良点にあります。
言ってしまえば、TD173Dはパワー競争の段階を終え、いかにその力を快適かつ正確に、そして安全に使えるかという新しい次元に進んだモデルなのです。
マキタの最上位モデルは?

「マキタのインパクトドライバーで一番良いモデルはどれ?」と聞かれた場合、多くの方がこのTD173Dを挙げるでしょう。事実として、18Vバッテリーシリーズの中では、紛れもなくフラッグシップ(最上位)モデルに位置付けられています。
ただし、「最上位」の定義はユーザーの作業内容によって変わる点に注意が必要です。マキタは18Vシリーズの他に、より高出力を実現する40Vmaxシリーズも展開しています。
18V LXTシリーズにおける最上位
携帯性、取り回しの良さ、そして対応する工具の種類の豊富さ。これらのバランスを重視するなら、TD173Dが最適解です。一般的な建築、内装、設備工事、そしてDIYといった多様なシーンで、最高のパフォーマンスと快適性を提供してくれるのがTD173Dです。
パワーを最優先するなら40Vmax
一方で、とにかく最高のパワーを求めるのであれば、40VmaxシリーズのTD002G(最大トルク220 N・m)がマキタ全体の「最上位」と言えるかもしれません。型枠大工や重機整備など、常に高負荷な作業を行うプロフェッショナルにとっては、40Vmaxシリーズが選択肢となります。
このように、TD173Dは「18Vシリーズにおける最上位モデル」と理解するのが最も正確です。自身の作業スタイルに合わせて、18Vと40Vmaxのどちらが最適かを見極めることが重要になります。
TD172DZとTD173DZの違いを比較

TD173Dの購入を検討する上で、最も気になるのが前モデルTD172Dとの違いではないでしょうか。結論から言うと、締付けパワーやスピードといった基本性能は全く同じです。しかし、作業の質を左右する「使いやすさ」の面で、TD173Dは劇的な進化を遂げています。
両モデルの主な違いを以下の比較表にまとめました。
機能 | TD173D | TD172D |
---|---|---|
最大締付けトルク | 180 N・m | 180 N・m |
ヘッド全長 | 111 mm | 114 mm |
LEDライト | 全周リング発光 | 左右2灯式 |
操作パネル位置 | 本体後方 | 本体前方下部 |
重心バランス | バッテリー後方配置で最適化 | 従来型(やや前方重心) |
隅打ち角度 | 業界最小クラス 約10.5° | 約10.5° |
メーカー希望小売価格(本体のみ) | ¥29,700 (税別) | ¥24,400 (税別) |
TD173Dの具体的な進化点
この表から分かるように、TD173Dの改良は以下の3点に集約されます。
- 視認性の革命「全周リング発光LEDライト」
ビット先端に影が一切できなくなり、暗所での作業精度が飛躍的に向上しました。明るさも従来比で約2.5倍アップしています。 - 最適な重量バランス
バッテリーを後方にずらすことで、重心がグリップの中心に近づきました。これにより、実際の重さは同じでも体感的に軽く感じ、特に上向き作業での疲労が大幅に軽減されます。 - 操作性の向上
モード切替パネルが本体後方に移動したことで、グリップを握ったまま視線をそらさずに操作できるようになりました。
注意点:パワーは同じ
繰り返しますが、単純なネジ締めスピードを計測した場合、両者に体感できるほどの差はありません。TD173Dへの投資価値は、日々の作業で実感できる「快適性」と「精度の向上」、そして「疲労軽減」にあると理解することが重要です。
インパクトドライバーでできること一覧

インパクトドライバーは、その名の通り「回転」と「打撃(インパクト)」を組み合わせて、強力な力でネジを締めたり緩めたりする電動工具です。その汎用性は非常に高く、先端に取り付けるビットやアタッチメントを交換することで、様々な作業に対応できます。
ここでは、TD173Dのような高性能インパクトドライバーでできる主な作業をご紹介します。
基本的な作業
- ネジ・ビス締め:家具の組み立て、ウッドデッキ製作、内装工事など、あらゆるネジ締め作業を高速かつパワフルに行えます。
- ボルト・ナットの締緩:ソケットアタッチメントを使えば、機械のメンテナンスや単管パイプの組み立てなど、ボルト・ナット作業も可能です。
- 穴あけ:六角軸のドリルビットを装着すれば、木材や薄い金属への下穴あけができます。ただし、精密な円形の穴あけはドリルドライバーの方が得意です。
\ インパクトドライバーの変わった使い方を紹介/


アタッチメントを活用した応用的な作業
- 研磨・研削:錆び落としや塗装剥がし用のブラシ、研磨用のパッドなどを取り付ければ、軽度の研磨作業もこなせます。
- 狭所作業:L型アダプタやフレキシブルシャフトを使えば、本体が入らないような狭い場所でのネジ締めが可能になります。
- 特殊な作業:市場には塗料などを混ぜるミキサー、リベットを打ち込むリベッターなど、インパクトドライバーを全く別のツールに変えるユニークなアタッチメントも存在します。
TD173Dの「楽らく4モード」が作業をサポート
TD173Dには、木材モードやボルトモードなど、特定の作業を自動でアシストしてくれる「楽らく4モード」が搭載されています。これにより、初心者でもネジの締め過ぎやボルトの締め損じといった失敗を減らし、プロ品質の作業が可能になります。
このように、インパクトドライバーは一台あるだけで作業の幅を大きく広げてくれる万能ツールなのです。
豊富なビット・アタッチメント種類

インパクトドライバーの能力を最大限に引き出す鍵は、作業内容に合った適切なビットやアタッチメントを選ぶことにあります。TD173Dの先端(スリーブ)は6.35mmの六角軸という業界標準規格なので、マキタ純正品はもちろん、多種多様なサードパーティ製品が利用可能です。
ここでは、揃えておくと便利な主要なアクセサリーをご紹介します。
必須のドライバービット
ネジを締めるための基本となるビットです。形状や長さなど、様々な種類があります。
- トーションビット:軸にくびれがあり、ネジ締め時の衝撃を吸収してくれるビットです。高トルクなTD173Dには必須のアイテムで、ビット先端の欠けやネジ頭のつぶれ(カムアウト)を防ぎます。
- 各種先端形状ビット:プラス(PH)、ポジドライブ(PZ)、トルクス(T)、六角(HEX)など、締めるネジに合った形状とサイズを選ぶことが、確実な作業の基本です。
- スリムビット/マグネット付きビット:先端が細く加工されたスリムビットはネジ頭の視認性を高め、マグネット付きはネジの落下を防いでくれるため、作業効率が格段に向上します。
作業の幅を広げるアタッチメント
- ソケットアダプタ・ソケットビット
ボルトやナットを回すためのアタッチメントです。手持ちのソケットレンチ用ソケットが使えるアダプタと、よりダイレクトに力が伝わる専用のソケットビットがあります。 - ドリルチャックアタッチメント
丸軸のドリルビットを取り付けるためのアダプタです。これにより、インパクトドライバーで様々なドリルビットが使えるようになります。 - 狭所作業用アタッチメント
前述の通り、L型のアングルアダプタや自在に曲がるフレキシブルシャフトは、プロの現場では不可欠なアクセサリーです。
これらのアクセサリーを揃えることで、TD173Dは単なるネジ締め工具から、あらゆる作業に対応できる多機能パワーハンドルへと進化します。
TD173DRGXの値段とセット内容

マキタTD173Dを購入する際、最も一般的なのがバッテリー2個と充電器、ケースが付属するフルセットの「TD173DRGX」です。このセットのメーカー希望小売価格は83,000円(税別)、税込で91,300円に設定されています。
注意:実売価格は大きく異なる
ただし、これはあくまでメーカーが設定した価格です。実際の販売店やオンラインショップでの実売価格は、これよりも大幅に安くなるのが一般的です。購入を検討する際は、複数の店舗の価格を比較することが非常に重要になります。
参考として、2025年8月時点でのオンライン市場における実売価格の傾向は、おおよそ4万円台後半から6万円台で推移していることが多いようです。もちろん、セール時期や販売店の方針によって価格は変動します。
TD173DRGXのセット内容
プロが現場ですぐに使えるように、必要なものが一通り揃っています。
品名 | 内容 |
---|---|
本体 | TD173D |
バッテリー | 18V 6.0Ah リチウムイオンバッテリー (BL1860B) × 2個 |
充電器 | 急速充電器 (DC18RF) |
標準付属品 | (+)ビット2-65、フック |
ケース | 専用プラスチックケース |
本体のみの購入も可能
すでにマキタの18Vバッテリーや充電器を持っている方向けに、本体のみの「TD173DZ」も販売されています。こちらのメーカー希望小売価格は29,700円(税別)で、実売価格は1万円台後半から2万円台前半が相場です。自分の所有状況に合わせて、最適な購入形態を選ぶのが賢い選択と言えるでしょう。
購入前TD173Dレビュー:比較と評価
- マキタ他モデルとの比較
- マキタとハイコーキ、どっちがいい?
- 40Vmaxと18V、どっちがいい?
- ユーザーのリアルな口コミを紹介
- 総括td173d レビュー:メリット・デメリット
マキタ他モデルとの比較

TD173Dは18Vシリーズの最上位モデルですが、マキタはユーザーの予算や用途に応じて、様々なクラスのインパクトドライバーをラインナップしています。ここでは、ミドルレンジモデルやベーシックモデルと比較することで、TD173Dの立ち位置を明確にします。
TD173D vs ミドルレンジモデル (TD157D)
TD157Dは、DIYや軽作業に十分な性能を持つコストパフォーマンスに優れたモデルです。TD173Dとの最大の違いはパワーと機能性にあります。
- トルク:TD157Dの最大トルクは140 N・mと、TD173Dの180 N・mに比べて明確に劣ります。この差は、太くて長いネジを硬い木材に打ち込む際のスピードに直接影響します。
- 機能:TD157Dには、「全周リングLED」や「楽らく4モード」、「ゼロブレ」といったTD173Dが誇るプレミアムな機能は搭載されていません。
プロの現場で生産性が求められる場合、TD173Dのパワーと高機能は、作業時間の短縮と労力の節約に大きく貢献します。
TD173D vs ベーシックモデル (TD149D)
TD149Dは、プロユースにも耐えうるパワー(最大トルク165 N・m)を持ちながら、機能を絞ることで価格を抑えたモデルです。
- モーター:TD149Dはブラシ付きモーターを採用している場合があります。一方、TD173Dはメンテナンスフリーで長寿命なブラシレスモーターを搭載しており、耐久性に優れます。
- 電子制御:TD173Dが持つインテリジェントなアシスト機能はほとんど搭載されておらず、純粋なパワーのみを提供するシンプルな構成です。
この比較から、TD173Dの価格は、単なるトルクだけでなく、高度な制御技術、優れた人間工学設計、そして耐久性に対する対価であることが分かります。マキタのラインナップは、ユーザーが求める性能と予算に応じて最適な一台を選べるよう、戦略的に構築されているのです。
マキタとハイコーキ、どっちがいい?
電動工具市場において、マキタの最大のライバルとして常に比較されるのがHiKOKI(ハイコーキ、旧日立工機)です。どちらのブランドも非常に高品質な製品を製造しており、選択はしばしばユーザーの好みや思想の違いによるところが大きくなります。
ここでは、マキタTD173Dと、その直接の競合機であるHiKOKIの18Vフラッグシップモデル「WH18DC」を比較します。
機能 | マキタ TD173D | HiKOKI WH18DC |
---|---|---|
最大締付けトルク | 180 N・m | 180 N・m |
ヘッド全長 | 111 mm | 116 mm |
質量(バッテリー含む) | 1.5 kg | 1.6 kg |
独自技術 | ゼロブレ、楽らく4モード | トリプルハンマ |
LEDライト | 全周リング発光 | 3灯式 |
開発思想の違い
両者の最大の違いは、それぞれの独自技術に象徴される開発思想にあります。
マキタ (TD173D) の思想:「視認性」と「バランス」
全周リングLEDによる影のない完璧な視認性は、他のどの競合にもない独自の強みです。また、最適化された重心バランスは、ユーザーの身体的負担を軽減することに主眼を置いています。
HiKOKI (WH18DC) の思想:「低振動」と「打撃感」
HiKOKIのコア技術「トリプルハンマ」は、3つのハンマーで打撃を分散させることで振動を低減し、滑らかでマイルドな打撃感を実現します。カムアウトの低減にも寄与するとされ、このフィーリングを好むユーザーも多くいます。
どちらが優れているというわけではなく、ユーザーが何を優先するかによって評価が分かれます。暗所での作業が多い電気工事業者などにはマキタの視認性が、一日中同じ体勢でネジを打ち続ける作業者にはHiKOKIの低振動性が、それぞれ大きなメリットとなるでしょう。また、既に持っているバッテリー資産によってブランドを選ぶ、というのも非常に現実的な選択肢です。
40Vmaxと18V、どっちがいい?
前述の通り、マキタのインパクトドライバー選びは、単一のツールの性能比較だけでなく、長期的なバッテリープラットフォーム(エコシステム)の選択という側面も持ちます。ここでは、「バランスと多様性の18V」と「パワーと耐久性の40Vmax」、それぞれのフラッグシップモデルを比較し、どちらに投資すべきかを分析します。
TD173D (18V) vs TD002G (40Vmax)
項目 | 18V (TD173D) | 40Vmax (TD002G) |
---|---|---|
最大締付けトルク | 180 N・m | 220 N・m |
ヘッド全長 | 111 mm | 119 mm |
質量(バッテリー含む) | 1.5 kg | 1.6 kg |
防じん・防水性能 | APT | IP56 |
最先端機能 | 全周リングLED、最適重心バランス | Bluetoothによるアプリ連携カスタマイズ |
エコシステムの規模 | 非常に広範(数百種類) | 高出力ツール中心に拡大中 |
どちらのシステムを選ぶべきか?
この選択は、あなたの現在の作業内容と将来のニーズを考慮して行うべきです。それぞれのシステムが最適なユーザープロファイルは以下のようになります。
18V LXTシステム (TD173D) が最適なユーザー
- パワーだけでなく、軽さ、バランス、狭所でのアクセス性を重視する電気工、設備工、内装大工など。
- インパクトドライバー以外にも、掃除機や園芸工具など、多様なツールを同じバッテリーで運用したいと考えている方。
40Vmax XGTシステム (TD002G) が最適なユーザー
- 日常的に高トルクを必要とし、作業効率がパワーに直結する型枠大工、鉄骨組立工、重機整備士など。
- 大径の丸ノコやグラインダーなど、バッテリーに高い負荷をかけるツールを主に使用する、あるいは今後導入する予定がある方。
結論として、TD173DとTD002Gの選択は、自身のワークスタイルを見据えた上で、「多様性の18V」か「専門性の40Vmax」か、というエコシステム全体を選ぶ戦略的な決断と言えるでしょう。
ユーザーのリアルな口コミを紹介

製品の真価は、カタログスペックだけでは分かりません。ここでは、実際にTD173Dを使用したプロの職人やDIY愛好家から寄せられたレビューを分析し、実用上のメリットとデメリットをまとめます。
高く評価されている点(メリット)
- 革新的なライト:「影が全くできないので驚くほど見やすい」「暗い場所での作業性が劇的に改善された」など、全周リングLEDライトに対する称賛の声が圧倒的多数を占めています。これはTD173D最大のキラーフィーチャーと認識されています。
- 卓越したコンパクトさとバランス:「とにかく軽くて取り回しが良い」「上向き作業でも手首が疲れない」といった、コンパクトなヘッドと最適化された重心バランスを評価する声も多く聞かれます。
- 精密な制御性:「軸ブレがほぼゼロで安定している」「トリガーの反応が良く、繊細な力加減が可能」など、マキタ独自の「ゼロブレ」技術と改良されたトリガースイッチが、作業の精度と信頼感に繋がっています。
- ブランドへの信頼:「さすがマキタ」「安定の品質」といったコメントも散見され、長年培われてきたブランドへの信頼が購入の決め手の一つとなっていることがうかがえます。
指摘されている点(デメリット・注意点)
- コスト:最大の懸念点は価格です。特に高価な純正バッテリーが負担になるという意見があります。前モデルTD172Dとの価格差をどう評価するかが、選択の分かれ目となります。
- 新しい重心バランスへの意見:マキタが「最適バランス」と謳う後方重心に対し、「真下に垂直に打ち込む作業では、逆にヘッドが浮き上がりやすく感じる」という専門的な指摘が存在します。これは、ウッドデッキの床材固定のような特定の作業においては、従来のフロントヘビーな設計の方が安定するという意見であり、ツールのエルゴノミクスが作業内容によって相対的であることを示しています。
このように、TD173Dは多くの点で絶賛されていますが、万能というわけではありません。特に重心バランスについては、自身の主な作業内容と照らし合わせて、その設計が自分のワークフローに合致するかを冷静に判断する必要があります。
総括TD173D レビュー:メリット・デメリット
これまでの分析を基に、マキタTD173Dの全体像をメリットとデメリットに分けて総括します。このツールへの投資を最終的に判断するための材料としてください。
TD173Dの明確なメリット
- 完璧な視認性:国内初の全周リングLEDライトにより、ビット先端の影が完全に解消され、暗所や狭所での作業精度と効率が飛躍的に向上します。
- 優れたエルゴノミクス:バッテリーの後方配置による最適な重心バランスは、長時間の作業や上向き作業における手首や腕への負担を大幅に軽減します。
- 高いアクセス性:全長111mmのコンパクトなヘッドとスリムな形状により、業界最小クラスの隅打ち性能を実現。壁際や角での作業で真価を発揮します。
- 精密な作業性:業界最小のビット振れを実現する「ゼロブレ」技術と、直感的な操作が可能な新トリガースイッチにより、繊細なトルク管理が可能です。
- 豊富なアシスト機能:「楽らく4モード」が作業者のスキルを補い、誰でも高品質な仕上がりを実現します。
考慮すべきデメリットと注意点
- 価格:前モデルTD172Dや競合製品と比較して高価です。その価格差に見合う価値を、自身の作業頻度や内容から見出す必要があります。
- 性能の据え置き:最大トルクや回転数といった基本的な動力性能はTD172Dから進化していません。純粋なパワーアップを期待している場合は、期待外れになる可能性があります。
- 重心バランスの特性:最適化された後方重心は、多くの場面でメリットとなりますが、前述の通り、一部の垂直下方への連続作業では、従来機の方が扱いやすいと感じるユーザーもいます。
結論として、TD173Dは最高のパワーだけでなく、最高の「使いやすさ」を求めるプロフェッショナルや、品質に妥協しないDIY愛好家にとって理想的なツールです。その価値は、日々の作業で実感できる快適性と効率性の向上にあると言えるでしょう。
- TD173Dは2023年発売の18Vフラッグシップモデル
- 最大トルク180N・mで基本性能はTD172Dと同等
- ヘッド全長111mmと業界トップクラスのコンパクトさを実現
- 最大の特徴はビット先端の影を消す全周リング発光LEDライト
- バッテリーを後方に配置し最適な重量バランスを追求
- 上向き作業などでの手首への負担を大幅に軽減
- モード切替パネルが本体後方にあり操作性が向上
- 業界最小クラスの隅打ち性能で壁際作業に強い
- 作業を自動アシストする「楽らく4モード」を搭載
- 競合のHiKOKIは低振動の「トリプルハンマ」が特徴
- さらなるパワーを求めるなら40VmaxのTD002Gが選択肢
- ユーザーからの口コミではライトの視認性が特に高評価
- デメリットは価格の高さと特定の作業での重心バランス
- 最高の使いやすさを求めるユーザーにとって最適な一台