こんにちは。パワーツールラボ運営者 TAKAです。
秋から冬にかけて、庭や玄関先に舞い落ちる大量の落ち葉。毎朝竹箒で掃いても掃いてもキリがなく、腰も痛くなるし、本当にうんざりしてしまいますよね。特に砂利の上に入り込んだ落ち葉や、広範囲の庭掃除は重労働です。もっと楽に、効率よく落ち葉対策ができたらいいのにと考えている方も多いのではないでしょうか。
実は、造園業者さんも使っているブロワーやバキュームといった道具を上手に取り入れることで、あの苦行のような掃除が劇的に楽になるんです。
今回は、初心者の方でも失敗しないブロワーの選び方や、マキタなどの人気メーカーの比較、そして一番知りたい砂利の上の落ち葉を上手に掃除するコツや集め方のテクニックまで、徹底的に解説します。静音モデルや充電式の使い勝手についても触れていきますので、ぜひ参考にしてみてください。
- 送風だけでなく吸引もできるバキューム機能の違いと選び方
- 初心者でも失敗しない砂利や芝生の上の落ち葉を掃除するコツ
- マキタやハイコーキなど主要メーカーの特徴とおすすめモデル
- 近所トラブルを避けるための騒音マナーと集めた落ち葉の活用法
初心者必見!ブロワーで落ち葉対策するコツと選び方

「ブロワーなんてプロが使う道具でしょ?」と思っていませんか?
実は最近、家庭用としても非常に扱いやすいモデルが増えていて、一台あるだけで庭掃除の常識が変わるんです。まずは、自分に合った一台を見つけるために必要な基礎知識を、私の経験を交えてわかりやすく解説しますね。
落ち葉掃除用ブロワーとバキュームの違い

落ち葉対策として道具を探し始めると、まず「ブロワー(送風機)」と「バキューム(集塵機)」という言葉が出てきて迷ってしまうことがあります。多くのメーカーでは両方の機能を備えたモデルを販売していますが、それぞれの機能が具体的にどのようなシーンで役立つのか、その特性を深く理解しておくことが失敗しない選び方の第一歩かなと思います。
まずブロワー機能(送風)についてですが、これは読んで字のごとく「強力な風を吹き出す機能」です。この機能の最大の強みは、「物理的に箒が入らない場所」や「凹凸のある場所」の掃除ができる点にあります。
例えば、植え込みの枝の間に入り込んだ枯れ葉、室外機の裏側や下、網フェンスの隙間、そしてウッドデッキの下などです。こういった場所は竹箒や熊手では掻き出すことが難しく、手で拾おうとするとトゲが刺さったりして大変ですよね。ブロワーなら、空気という流体を使って奥にあるゴミを一瞬で弾き飛ばすことができます。私の体感では、庭掃除全体の労力の9割はこの「吹き寄せ作業」で解消できると言っても過言ではありません。散らばった葉を風で一箇所に集めるだけで、あとは袋に詰めるだけになるからです。
一方、バキューム機能(吸引・集塵)は、集めた落ち葉を掃除機のように吸い取る機能です。この機能の最大のメリットは、単に吸うだけでなく、内部のファン(インペラ)で落ち葉を粉々に粉砕(シュレッダー)してくれる点です。
落ち葉掃除で一番のかさばる原因は、葉っぱのふんわりとした形状による空気の層なんですね。そのままゴミ袋に入れるとすぐに一杯になってしまいますが、バキューム機能で粉砕すると、モデルによっては体積を10分の1程度まで圧縮できます。これはゴミ袋代の節約になるだけでなく、ゴミ出しの回数を減らせるという大きな時短効果につながります。また、粉砕された葉は後述する「腐葉土作り」においても分解が早く進むため、非常に良質な材料になります。
機能別メリットまとめ
| 機能 | 主な役割 | こんな人におすすめ |
|---|---|---|
| ブロワー(送風) | 隙間の掃除、広範囲の集じん、洗車後の水滴飛ばし | 植え込みが多い庭、砂利敷きの駐車場がある家 |
| バキューム(吸引) | 落ち葉の回収、粉砕による減容化 | ゴミ袋を節約したい、腐葉土を作りたい、回収作業を楽にしたい人 |
最初は「吹き飛ばすだけで十分」と感じるかもしれませんが、大量の落ち葉と格闘するシーズンになると、やはり「吸って小さくしてくれる機能」のありがたみが身に沁みます。予算と保管場所が許すなら、両方の機能が使える「ブロワバキューム」タイプを選んでおくと、後々の満足度は高いかなと思います。
コードレスかエンジンか?充電式のメリット

次に悩むのが動力源です。大きく分けて「エンジン式」「AC電源(コード)式」「充電式(コードレス)」の3つのタイプがあります。それぞれのライフスタイルや庭の広さに合わせて選ぶ必要がありますが、現代の住宅事情を考えると、選択肢は絞られてくるかと思います。
まずエンジン式ですが、これは造園業者さんが公園などで使っているパワフルなタイプです。2ストロークや4ストロークエンジンを搭載しており、風量は桁違いに強力です。濡れて地面に張り付いた大量の落ち葉も、問答無用で剥がし飛ばすパワーがあります。しかし、その反面、騒音が非常に大きく(バイクの空ぶかしのような音)、排気ガスの臭いも発生します。また、ガソリンとオイルを混ぜた混合燃料を用意したり、点火プラグを掃除したりといったメンテナンスの知識も必要です。住宅街での使用は、騒音トラブルのリスクが極めて高いため、よほどの広大な敷地(山林や畑など)を持っていない限りは避けたほうが無難でしょう。
次にAC電源(コード)式です。家のコンセントから電源を取るため、バッテリー切れの心配がなく、常に安定したハイパワーで作業できるのが魅力です。本体価格も比較的安価なものが多いですね。しかし、最大のデメリットは「コードの取り回し」です。長い延長コードを引きずりながらの作業は、庭木や花壇、車などにコードが引っかかりやすく、非常にストレスが溜まります。また、うっかりコードを足で踏んで転倒したり、最悪の場合は誤ってコードを切断してしまう事故も少なくありません。電源が確保しやすい狭い庭や、ガレージ周辺だけの掃除なら選択肢に入りますが、自由度は低くなります。
そこで私が一番おすすめしたいのが、充電式(コードレス)です。以前は「パワー不足ですぐ止まる」というイメージがありましたが、近年のリチウムイオンバッテリー技術の進化は目覚ましいものがあります。
- 即応性:スイッチ一つで起動。毎朝の5分掃除が苦にならない。
- 静音性:モーター駆動なのでエンジン式より格段に静かで振動も少ない。
- 拡張性:バッテリーは同じメーカーの掃除機、ドリル、草刈機などと使い回せる。
- 安全性:コードがないので足元が安全。高い場所の掃除も楽々。
現在主流の18Vや36V(40Vmaxなど)の高電圧バッテリーを搭載したモデルは、エンジン式に匹敵するほどの風量を実現しています。何よりのメリットは「準備と片付けの圧倒的な手軽さ」です。バッテリーをカチッとはめるだけで起動でき、コードを巻く手間も燃料を入れる手間もありません。「あ、あそこに落ち葉がたまっているな」と思った瞬間にサッと持ち出して掃除ができる、この機動力こそが、掃除を継続する一番の秘訣なんですね。
確かに連続稼働時間は15分〜30分程度と限りがありますが、家庭の庭掃除であれば十分な時間ですし、予備バッテリーを用意すれば解決できる問題です。初期費用は少し高くなりますが、快適さとご近所への配慮を考えると、充電式がベストな選択肢かなと思います。
マキタなど強力なおすすめメーカーを比較

いざブロワーを購入しようとすると、国内外さまざまなメーカーがあって迷ってしまいますよね。ここでは、故障が少なく、アフターサポートもしっかりしている信頼の主要3メーカーの特徴を深掘りしてご紹介します。
メーカー選びのポイント
| メーカー | 主な特徴 | こんな人におすすめ |
|---|---|---|
| マキタ | バッテリー互換性最強。プロ仕様の耐久性と圧倒的なラインナップ。 | 他の工具も揃えたい人、頑丈さを求める人。 |
| HiKOKI | 36Vマルチボルトのハイパワー。静音化技術に優れる。 | パワーと静かさを両立させたい人。 |
| 京セラ | バキューム性能特化。コスパ抜群のAC電源式が充実。 | 電源確保が容易で、コストを抑えたい人。 |
1. マキタ (Makita)
電動工具の国内シェアNo.1を誇るマキタは、やはり外せない存在です。マキタの最大の魅力は、圧倒的な「バッテリーのエコシステム(互換性)」にあります。
特に「18Vシリーズ」のバッテリーは、掃除機からインパクトドライバー、チェンソー、さらにはコーヒーメーカーや保冷温庫まで、数百種類以上の製品で使い回すことができます。ブロワーに関してもラインナップが豊富で、片手で持てる軽量な「UB185D」から、プロ仕様の強力な「MUB184D」、そしてバッテリーを2本使用して最強のパワーを出す36Vモデルまで揃っています。耐久性や防滴・防じん性能(APT)も高く、過酷な環境でも壊れにくい「現場仕様」の頑丈さが売りです。「一度買ったら長く使いたい」「他の工具も揃えていきたい」という方にはマキタが間違いありません。
2. HiKOKI (ハイコーキ)
旧日立工機であるHiKOKI(ハイコーキ)も、マキタと双璧をなすトップブランドです。ここの特徴は「マルチボルト(36V)」という革新的なバッテリーシステムです。
従来の18V製品と同じサイズ・重量でありながら、36Vのハイパワーを出力できるバッテリーを採用しています。特にブロワー分野では「RB36DB」などのモデルが人気で、大風量でありながらクラスNo.1レベルの低騒音・低振動を実現しています。ハンドル内部を風の通り道にする独自の設計などで、耳障りな風切り音をカットする技術に優れており、住宅街での使用を強く意識した製品作りがされています。「パワーは欲しいけど音は抑えたい」というニーズに応えてくれるメーカーです。
3. 京セラ (Kyocera) / 旧リョービ
ガーデニング・家庭用ツールとしてホームセンターで絶大な人気を誇るのが京セラ インダストリアルツールズ(旧リョービのパワーツール事業を承継)です。
特にAC電源式の「ブロワバキューム」シリーズ(RESV-1000A、RESV-1500など)は、長年のベストセラーです。これらのモデルは、「吹き寄せ」と「吸い込み」をレバー一つでワンタッチ切り替えできる利便性と、吸い込んだ落ち葉を1/10に粉砕する強力なシュレッダー機能が標準装備されています。また、タイヤ(ローラー)がノズルの先についていて、地面を転がしながら掃除できる機能など、体力に自信のない方でも楽に使える工夫が随所に施されています。コストパフォーマンスも非常に高く、「電源コードの制約があっても安くて高機能なものが欲しい」という方には最適解となります。
女性も安心の軽量で静かなモデルの選び方

カタログのスペック表を見るとき、どうしても「最大風量」などのパワー面に目が行きがちですが、実際に家庭で使う場合に最も重要なのは「軽さ」と「静かさ」です。重すぎるブロワーは、5分も持っていると腕がプルプルと震えてきて、掃除がおっくうになってしまいます。
特に女性やご年配の方が使用する場合、本体重量はバッテリー込みで2kg以下を目安に選ぶと良いでしょう。マキタやHiKOKIには「ハンディブロワー」と呼ばれる小型モデルがあり、これらは全長50cm程度、重さも1.5kg〜1.8kgほどで非常に取り回しが良いです。長いノズルをつけて立ったまま掃除できるロングノズルタイプを選べば、腰を曲げる必要もなくなり、体への負担が劇的に減ります。
また、騒音レベルについても注意が必要です。音の大きさは「dB(デシベル)」で表されますが、一般的なエンジンブロワーは90dB〜100dB近くあり、これはガード下の騒音や地下鉄の車内レベルに相当します。これでは、休日の朝に庭で使うと近所迷惑になってしまいます。
静かなモデルを選ぶコツは、以下の3点です。
- 静音モード搭載機を選ぶ:HiKOKIの製品などには、風路の設計を工夫して騒音値を大幅に下げたモデルがあります。
- 風量調整ダイヤル付きを選ぶ:トリガーの引き具合だけでなく、ダイヤルで最大風量を制限できるモデルが便利です。風量を最大から少し落とすだけでも、騒音(特に高音のモーター音)はかなり小さくなります。
- ブラシレスモーター採用機を選ぶ:最新の高級機に多いですが、摩擦が少ないモーターのため、音が静かで寿命も長いです。
一般的な一戸建ての庭であれば、18Vクラスや10.8Vクラスの軽量モデルでも十分に落ち葉を飛ばせますので、自分の体力に合ったサイズ感のものを選ぶことが、長く愛用する秘訣かなと思います。
効率的なブロワーの使い方と集め方の基本

良い道具を手に入れても、使い方が間違っていると効率は上がりません。実は私も最初は、ただ闇雲に風を吹き付けて、せっかく集めた落ち葉をまた散らかしてしまう…なんて失敗を繰り返していました。
効率よく落ち葉を集めるための最大の鉄則は、「風上から風下へ」作業することです。作業を始める前に、必ずその日の自然の風向きを確認してください。
どんなに強力なブロワーを使っても、自然の強風には勝てません。
風に向かって吹き付けても、舞い上がった埃や葉が自分に戻ってくるだけです。常に風を背にして進むルートを計画しましょう。もし風速5m以上の強風が吹いている日は、潔く作業を諦めるのもプロの知恵です。
そしてもう一つ重要なテクニックが「ゾーニング(区画分け)」です。広い庭の落ち葉を、最初から一箇所にまとめて集めようとしてはいけません。移動距離が長くなると、運んでいる途中で風に吹かれて散らばってしまいます。
まずは庭を「玄関前エリア」「駐車場エリア」「裏庭エリア」などの小さなゾーンに区切り、それぞれのエリアごとの「風溜まり(壁際や隅)」に小山を作っていきます。そして最後に、それぞれの小山を回収していく、あるいは最終的な集積場所に移動させるという「二段階方式」をとるのが最も効率的です。
ノズルの使い方も重要です。地面に対して垂直に吹き付けると、土埃だけが猛烈に舞い上がり、肝心の落ち葉はその場で暴れるだけになってしまいます。コツは、地面とほぼ平行(水平)に近い角度で、低い位置から風を送ることです。落ち葉と地面の隙間に風の層を滑り込ませるイメージですね。こうすることで、落ち葉がふわりと浮き上がり、絨毯のように滑らかに移動してくれます。
バキューム(吸引)機能を使う場合も同様です。いきなり散らばった葉を吸い込みにいくと、あちこち歩き回ることになり大変です。
- まずはブロワー(送風)モードで落ち葉を一箇所に山にする
- 最後にモードを切り替えて一気に吸い込む
これがバッテリーも体力も節約できる「黄金の作業フロー」です。
実践!場所別ブロワーの落ち葉対策とコツを徹底解説

ここからは、実際に掃除をする場所ごとの、より具体的でマニアックなテクニックをご紹介します。特に「砂利」の上や「濡れた落ち葉」は難易度が高く、ただ風を当てるだけでは上手くいきません。
難関の砂利にある落ち葉を掃除するテクニック

竹箒で掃けば砂利まで一緒に掃き出してしまい、手で拾えば無限に時間がかかる…。まさに砂利エリアは落ち葉掃除のラスボスと言えます。
ここでこそブロワーの真価が問われますが、何も考えずに最大風量で吹き付けると、小石がマシンガンのように飛び散ってしまい、車や窓ガラスを傷つける恐れがあります。砂利の上の落ち葉を掃除する極意は、「風量調整」と「距離感」による選別です。
物理的な話を少しすると、軽い「落ち葉」と重い「砂利」では、吹き飛ぶために必要な風速が異なります。この差を利用するのです。
無段変速ダイヤルやトリガー調整で、風量を「弱~中」程度に設定します。
ノズルを地面に向けず、砂利の表面に対して完全に水平に構えます。
遠くから風を当て始め、徐々に近づいていきます。「落ち葉だけが動き出し、石は動かない」ギリギリの距離を見極めます。
これは流体力学でいう「揚力」を利用するテクニックでもあります。水平に速い風を送ることで、落ち葉の上に負圧が発生し(ベルヌーイの定理的な作用)、葉だけがフワッと浮き上がるのです。浮いた瞬間、風に乗って移動していきますが、重い砂利はそのまま残ります。
砂利掃除の3か条
- 絶対に上から吹き付けない。常に水平を意識する。
- いきなり近づけない。遠くから徐々に間合いを詰める。
- バキューム(吸引)は原則禁止。どうしても吸う場合は、ノズルを地面から10cm以上離して、浮き上がった葉だけを空中でキャッチする(難易度高)。
もし落ち葉が砂利の隙間に深く入り込んでしまっている場合は、ブロワーだけで取ろうとせず、先に熊手(レーキ)で表面を軽く引っ掻いて落ち葉を表面に浮かせてから、仕上げにブロワーで飛ばすと驚くほど綺麗になります。無理な深追いは禁物です。
芝生や庭の広範囲を効率よく集める方法

芝生の上に落ちた葉も厄介な存在です。芝の葉がブレーキになり、摩擦抵抗が大きいため、コンクリートの上のようにスムーズには滑ってくれません。特に朝露などで湿っていると、芝生に張り付いてしまい、強力なブロワーでも剥がれないことがあります。
芝生エリアでの対策としては、ブロワー単体で完結させようとせず、アナログな道具との「ハイブリッド清掃」が最強です。具体的には、プラスチック製や竹製の「芝生を傷めない柔らかい熊手(レーキ)」を使います。
- 熊手で芝生全体をザッザッと粗く掻き出し、落ち葉を「浮いた状態」にする
- 浮き上がった落ち葉に対してブロワーの風を当てる
こうすることで、芝生の中に入り込んだ「サッチ(枯れた芝のカス)」もある程度一緒に除去でき、芝生の通気性も良くなるという一石二鳥の効果があります。
広い空間に向けて吹き飛ばすと、どこまでも拡散してしまいますが、壁に向かって吹き付ければ、風が壁に当たって跳ね返る気流(反転流)ができ、落ち葉が壁際でくるくると回って一箇所に留まってくれます。
最終的に集める場所は、回収作業がしやすいように「駐車場に近い場所」や「勝手口の近く」など、ゴミ袋への詰め込み作業や運搬が楽な場所をゴール地点に設定しておくと、最後の片付けがスムーズになります。ブルーシートや「テミ(手箕)」と呼ばれる大きなチリトリを用意しておくと、一気に回収できて便利ですよ。
濡れた落ち葉の吸い込みや洗車での活用法

雨上がりや、雪解けの時期の濡れた落ち葉。これはブロワー掃除にとって最大の天敵です。水分を含んだ落ち葉は重くなり、表面張力で地面にべったりと張り付くため、乾いている時の何倍ものエネルギーが必要になります。
結論から言うと、「濡れた落ち葉は無理に掃除しない」のが鉄則です。最大のパワーで長時間運転し続ければ剥がせるかもしれませんが、バッテリーはあっという間に切れますし、騒音も大きくなり近所迷惑です。
これは絶対にやってはいけません。水分を含んだ葉や泥が内部に入ると、高速回転するファン(インペラ)やケーシングの内壁にヘドロのように張り付きます。するとファンの回転バランスが崩れて異常な振動が発生したり、モーターに過負荷がかかって焼き付いたりします。最悪の場合、ファンが破損してケースを突き破る事故にもつながりかねません。取扱説明書にも必ず禁止事項として記載されています。
どうしても掃除が必要な場合は、晴天が続いて完全に乾燥した午後の時間帯(朝露が乾いた後)を狙いましょう。自然乾燥こそが最大の時短テクニックです。
実はブロワーは、洗車好きの間では「必須アイテム」として知られています。洗車後の拭き上げ作業で、ドアミラーの隙間、フロントグリル、ホイールのナット穴、ドアノブなど、タオルが入らない場所の水滴を一瞬で吹き飛ばせるからです。
これらの隙間の水滴を放置すると、後から垂れてきて「水垢(イオンデポジット)」の原因になりますが、ブロワーがあれば完璧に除去できます。マキタの「UB185D」などのコンパクトな充電式ブロワーは、洗車場でもよく見かける人気モデルです。一台で庭掃除と洗車の二役をこなせるので、コスパは非常に高いと言えますね。
近所迷惑にならない騒音マナーと時間帯

便利なブロワーですが、その導入をためらう最大の要因は「音」でしょう。特に日本の狭い住宅事情では、エンジンの爆音はもちろん、電動モーターの「キーン」という高周波音や、風を切る「ゴオーッ」という音は、思った以上に周囲に響き渡ります。
ご近所トラブルを避けるためには、使用する「時間帯」と「使用時間」に最大限の配慮が必要です。
環境省の生活騒音に関する指針などを参考にすると、一般的に平日の早朝(8時以前)や夜間、休日の午前中ゆっくりしたい時間帯の使用は避けるのがマナーです。多くの人が活動している午前10時から夕方16時くらいの間に行うのが無難でしょう。
また、長時間連続で運転し続けないことも大切です。30分も1時間もずっと「ブオオーーーン」という音が鳴り響いていると、聞いている方はかなりのストレスを感じます。対策としては、以下の「ハイブリッド運用」をおすすめします。
- 基本は竹箒や熊手で静かに集める。
- 最後の仕上げや、どうしても取れない砂利・隙間のゴミだけブロワーを使う(稼働時間を5分以内に抑える)。
- お隣さんが窓を開けている時や、洗濯物を干している時は使用を控える(埃が飛んでいくため)。
風量調整ができるモデルなら、必要最低限のパワーに絞って使うのも有効です。ちょっとした気遣いを見せること、あるいは「これから少し大きな音がします、すみません」と一言挨拶をしておくだけで、トラブルの確率はぐっと下がります。
集めた落ち葉の回収方法と腐葉土への活用

最後に、集めた大量の落ち葉をどう処理するか?という問題です。かつては庭先で焚き火をして燃やす風景が見られましたが、現在は「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」により、野焼きは原則として禁止されています。
また、煙や臭いは近隣住民にとって深刻な迷惑となり、洗濯物への臭い移りなどで通報されるリスクもありますので、絶対にやめましょう。
(出典:e-Gov法令検索『廃棄物の処理及び清掃に関する法律』)
基本的には、お住まいの自治体のルールに従って「燃やすゴミ(可燃ゴミ)」として出します。ただし、街路樹の清掃などで大量に落ち葉が出た場合は、一度に集積所に出すと回収業務に支障が出るため、事前の相談が必要な場合があります。例えば横浜市では、大量の落ち葉については各区の土木事務所へ連絡するよう案内されています。
(出典:横浜市『歩道の落ち葉を清掃したので、ごみを回収してください』)
しかし、ただゴミとして捨てるのはもったいない!という方には、「腐葉土(ふようど)」を作ることを強くおすすめします。落ち葉は時間をかければ素晴らしい土壌改良材に生まれ変わります。
簡単な腐葉土の作り方
クヌギやケヤキなどの広葉樹の葉が最適です(針葉樹は分解しにくいので避けます)。バキューム機能で粉砕しておくと分解が早いです。
通気性の良い袋やコンポスト容器に落ち葉を入れ、発酵を促進させるための「米ぬか」(窒素源)と水を加えてよく混ぜます。
雨の当たらない場所に置き、1ヶ月に1回ほど空気を入れるように混ぜ返します(切り返し)。
夏場なら3ヶ月、冬場なら半年〜1年ほどで、黒っぽくボロボロになり、森の土のような良い匂いがすれば完成です。
自家製の腐葉土で育てた野菜や花は格別ですよ。ゴミ袋代も浮き、エコで楽しいガーデニングライフにつながりますので、ぜひチャレンジしてみてください。
Q&A:ブロワーの落ち葉掃除でよくある質問
- Q. ブロワーで吸い込んではいけないものはありますか?
A. はい、あります。特に「石(砂利)」「金属片」「濡れた泥」「ビニール紐などのゴミ」「タバコの吸い殻」などは絶対に吸わないでください。石は内部のファンを破損させて一発で壊れますし、紐類はモーター軸に絡まって焼損の原因になります。タバコは火災のリスクがあります。吸い込む際は、目視でこれらの異物がないか確認してから行いましょう。
- Q. バッテリーはどのくらい持ちますか?
A. モデルやバッテリー容量によりますが、一般的な18Vバッテリーで最大風量(ターボモード等)で連続使用すると、実は10分〜15分程度で切れることが多いです。「意外と短い」と思われるかもしれませんが、ずっと全開で使うことは稀です。風量を「中」程度に落とせば20分〜30分ほど持ちます。広いお庭の場合は、作業を中断しなくて済むよう、予備バッテリーを1つ用意しておくのが安心です。
- Q. ブロワーの風で車に傷がつくことはありますか?
A. ブロワーから出る風自体で傷がつくことはありませんが、風で地面から巻き上げた砂や小石がボディに当たると、細かい傷(サンドブラスト現象)になる可能性があります。地面の落ち葉を飛ばす際は、車の方向へ風を送らないようにするか、車にカバーをかけておくなどの対策をすると安全です。
まとめ:ブロワーで快適に落ち葉対策するコツ
今回は、ブロワーを使った落ち葉対策のコツについて詳しく解説してきました。
最初は「一般家庭にブロワーなんて贅沢品かな?」「使いこなせるかな?」と迷うかもしれませんが、実際に使ってみると、あの辛い掃き掃除の時間が半分以下に短縮され、腰への負担も劇的に軽くなることに驚くはずです。特に砂利掃除や、手の届かない隙間の掃除においては、もう手放せない必須アイテムになります。
記事のまとめ
- 家庭用なら準備が楽で取り回しの良い充電式(コードレス)が断然おすすめ。
- ゴミを減らしたい、腐葉土を作りたいならバキューム(粉砕)機能付きを選ぶ。
- 砂利掃除は風量を絞って水平に風を当てて石を飛ばさないように選別する。
- 騒音トラブル回避のため、時間帯(10時〜16時)と使用時間には最大限の配慮を。
ぜひ、あなたのお庭やライフスタイルにぴったりの一台を見つけて、今年の秋冬は快適に、そしてスマートに落ち葉掃除を乗り切ってくださいね。マキタやHiKOKIなどの信頼できるメーカーの製品を選べば、メンテナンス次第で何年も愛用できる頼もしい相棒になってくれるはずです。

