こんにちは。パワーツールラボ運営者 TAKAです。
寒い季節、冷え切った部屋を暖めようとスイッチを入れたら、ファンヒーターから「キュルキュル…」「キーン」という普段とは違う高い音が鳴り響いて驚いたことはありませんか。
「えっ、何この音?もしかして爆発するんじゃないか」「今すぐ使うのをやめたほうがいいのかな、でも寒いし…」と、不安と迷いでいっぱいになってしまいますよね。特に小さなお子様やペットがいるご家庭では、万が一の事故を考えると気が気ではないと思います。
実はこの「キュルキュル」という音、ファンヒーターからの非常に重要なSOSサインなんです。単なる騒音ではなく、内部で起きているトラブルを知らせてくれています。これを「うるさいだけだから」と放っておくと、本当に故障してしまったり、最悪の場合は発煙・火災事故につながることもあり得ます。
でも、過度に怖がる必要はありません。安心してください。音の種類や発生している状況を冷静に観察することで、自分で掃除をして直るケースなのか、それともすぐにプロの修理が必要なケースなのかを、一般の方でも見極めることができます。
今回は、工具や機械のメンテナンス情報を発信している私の視点から、その判断基準と、安全に行える正しい対処法を分かりやすく解説します。
- キュルキュル音の正体と危険性のレベル
- 今すぐ使用を中止すべきかどうかの判断フロー
- 自分でできる安全な対処法とやってはいけないNG行為
- 修理費用と買い替え時期を見極める具体的な目安
ファンヒーター異音キュルキュルの正体と危険性チェック

まずは、その不快な「キュルキュル」という音がなぜ発生しているのか、その正体をしっかりと突き止めましょう。音が鳴っているということは、機械の内部で何かしらの物理的な異常が起きている証拠です。
ここでは、音の原因と緊急度、そして放置した場合のリスクについて、機械の構造に触れながら詳しく解説していきますね。
音の正体は回転部品の油切れや劣化が主な原因

ファンヒーターから聞こえる「キュルキュル」や「キーン」という高い異音。結論から言いますと、この音の正体は、十中八九「ファンモーターの軸受け(ベアリング)のオイル切れや摩耗」による金属音です。
ファンヒーターは、本体の裏側にある大きなプロペラファンを高速回転させて、燃焼した熱を部屋中に送り出す仕組みになっています。このファンを回している心臓部が「ファンモーター」です。モーターの中心には回転軸があり、その軸をスムーズに回すために「軸受け(ベアリング)」という部品が使われています。
新品の時は、この軸受けにたっぷりと潤滑油(グリス)が塗られているため、滑らかに静かに回転します。しかし、長年(目安として5年以上)使用していると、熱による蒸発や経年劣化でこの油が乾いてしまったり(グリス切れ)、軸そのものが金属疲労で摩耗してすり減ったりします。
その結果、油膜がなくなった金属同士が直接擦れ合い、高速回転することで「キュルキュル」「キーン」といった悲鳴のような高い音が発生するのです。冬の寒い朝一番に音が大きく、部屋が暖まると音が小さくなることがありますが、これは気温上昇で残った油が柔らかくなり一時的に馴染むためです。しかし、根本的な解決にはなっていません。
- 主な原因:ファンモーター軸受け(メタル軸受・ボールベアリング)の潤滑油不足(グリス切れ)
- 状態:油膜がなくなり、金属部品同士が直接擦れて削れている状態
- 緊急性:今この瞬間に爆発する危険性は低いですが、機械としては明確な「故障の前兆」です
「じゃあ、すぐに爆発したり火が出たりするの?」と心配になる方もいるかもしれませんね。基本的には、この音が鳴り始めた瞬間に機器が爆発するような危険性は低いです。
しかし、これは機械からの明確なSOSサインです。(出典:マルチインテック『送風機(ファン)からの異音・振動の原因と対策』)などの専門業者の見解でも、潤滑剤の不足や劣化、繰り返される運転による金属疲労が主な原因とされています。人間で言えば、膝の軟骨がすり減って骨同士が当たっているような状態です。無理をして使い続ければ、症状は確実に悪化し、最終的には動かなくなります。
また、ごく稀なケースですが、ファンの軸にペットの毛やホコリが大量に絡まり、それが回転の抵抗となって音が出ていることもあります。いずれにせよ、「正常な運転音ではない」という認識を強く持つことが大切です。
今すぐ使用中止すべき危険な異音の判断基準

「音がしていても、とりあえず暖房としては機能しているから大丈夫かな?」と、寒さに負けて使い続けてしまう方も多いかと思います。お気持ちは痛いほど分かります。しかし、状況によっては即座に使用を中止し、コンセントを抜かなければならない危険なケースも存在します。
ここでは、皆さんがご自宅で迷わず判断できるよう、緊急度の判定基準を具体的に整理しました。以下のチェックポイントを一つずつ確認してみてください。
- 焦げ臭いにおい、プラスチックが溶けたような臭い、ガス臭いにおいがする(内部部品の焼損・ガス漏れのリスク)
- 液晶画面に頻繁にエラーコード(E0, E4, HHなど)が表示され、自動停止する(安全装置が異常を検知しています)
- 温風の吹出口や背面の排気口から黒煙や白煙が出ている(不完全燃焼の可能性大)
- 使用中に目がチカチカする、頭痛、めまい、吐き気がする(一酸化炭素中毒の危険信号)
- 本体が触れないほど異常に熱い、または振動が激しくガタガタ震えている
上記のような明らかな異常症状がなく、「キュルキュルという音だけが鳴っている」場合でも、油断は禁物です。音の鳴り方で対処を変える必要があります。
これは末期症状です。モーターの軸が焼き付く(固着する)寸前の可能性があります。焼き付くと突然ファンが止まり、内部温度が急上昇して危険です。当日中に使用を停止し、修理または買い替えの手配をしてください。
故障の初期〜中期段階です。だましだまし使うことはできるかもしれませんが、いつ完全に動かなくなるかわかりません。「叩くと直る」というのは、衝撃で軸の角度が微妙に変わり、一時的に接触が和らいだり、接触不良の配線がつながっただけです。根本的には直っていないどころか、叩く衝撃で基盤などの精密部品を壊すリスクがあります。早めに点検を依頼するか、次の休日に買い替えを検討しましょう。
(出典:NITE・製品評価技術基盤機構『冬の製品事故への注意喚起』)などの公的機関のレポートでも、異音や異臭を確認した後に、そのまま使用を続けて発煙・発火に至ったケースが多数報告されています。「たかが音」と侮らず、異変を感じたら家族の安全を最優先に行動してくださいね。
石油・ガス・電気など種類別に見る音の原因

ファンヒーターと一口に言っても、燃料(エネルギー源)によって内部の構造が少し異なります。基本的にはファンモーターが原因であることが多いですが、それぞれの方式特有の原因も考えられます。ご自宅の機器がどのタイプか確認して、原因を絞り込んでみましょう。
1. 石油ファンヒーター(灯油式)
ダイニチやコロナ、トヨトミなどが代表的です。最も普及しているタイプですね。
キュルキュル音の原因として、ファンモーターの劣化以外に「燃焼系統の汚れ」が疑われます。
- 気化器(ノズル)の詰まり:昨シーズンの古い灯油を使ったり、不純物が混ざった灯油を使うと、灯油をガス化する「気化器」内部にタールという汚れが付着します。また、電磁ポンプの動作不良で異音が出ることもあります。
- 異音の特徴:「キュルキュル」のほかに、「キーン」「ピー」といった甲高い音が鳴ることもあります。着火時や消火時に音が大きいのが特徴です。
2. ガスファンヒーター(都市ガス・プロパン式)
リンナイやノーリツなどの製品です。燃料タンクがないため構造は比較的シンプルですが、やはりファンモーターの軸受け劣化が主な異音原因となります。
また、ガス機器特有の現象として、内部の電磁弁(ガスの通り道を開閉する弁)のコイルが振動して本体パネルと共鳴し、「ブーン」という低い唸り音が混ざることもあります。
3. セラミックファンヒーター(電気式)
パナソニックやアイリスオーヤマなどが販売している、電気の力だけで温めるタイプです。燃料を燃やさないため燃焼系のトラブルはありません。
原因は純粋にモーターの劣化か、ファンブレード(羽)の問題がほとんどです。長期間の使用や移動時の衝撃で内部のネジが緩み、高速回転するファンがカバーや配線にわずかに接触して「シュルシュル」「カサカサ」と音が鳴るケースもあります。また、本体内部にある転倒防止スイッチ(対震自動消火装置)が、本体を動かしたときに「カラカラ」と音を立てるのは正常な仕様(重りが動く音)である場合が多いです。
| 種類 | 主な異音の原因 | セルフチェックポイント |
|---|---|---|
| 石油ファンヒーター | モーター軸受け劣化 気化器へのタール付着 電磁ポンプ異常 | 去年の古い灯油を使っていないか? 背面フィルターは掃除されているか? 給油タンクのキャップは締まっているか? |
| ガスファンヒーター | モーター軸受け劣化 内部部品の共鳴 ガスホースの接触 | ガスコードはカチッとなるまで接続されているか? 本体が壁や家具に触れて共振していないか? 排気口は塞がっていないか? |
| セラミックファンヒーター | モーター故障 ファンと筐体の接触 ネジの緩み | 本体のネジが緩んでガタついていないか? 吸気口にホコリが分厚く溜まっていないか? 不安定な場所に置いていないか? |
このように、種類によって疑うべきポイントが少し変わってきます。
特に石油ファンヒーターの場合は、灯油の管理状態も音の原因に大きく関わってくることを覚えておいてください。
もし、音だけでなく灯油の臭いも気になる場合は、燃焼不良を起こしている可能性が高いです。詳しくは実際に試したこちらの記事をご覧ください。

放置すると火災や完全故障のリスクがある

「テレビの音が聞こえにくいけど、我慢すれば使えるし…」と考えて、そのまま使い続けてしまう方が実はとても多いんです。しかし、工具や機械を扱うプロの端くれとして言わせていただくと、異音を放置するのは非常にリスクが高いギャンブル行為です。
なぜなら、キュルキュル音は物理的な「強い摩擦」が起きている音だからです。摩擦がある場所には、必ず「熱」が発生します。
- 完全停止(暖房喪失):軸受けの摩擦熱で金属が膨張し、焼き付いてロック(固着)します。モーターが回らなくなると安全装置が働き、ヒーターは強制停止します。真冬の最も寒い日に突然暖房が使えなくなるリスクがあります。
- 不完全燃焼と一酸化炭素発生:ファンの回転数が落ちると、燃焼に必要な新鮮な空気を十分に取り込めなくなります。すると不完全燃焼を起こし、有毒な一酸化炭素が発生する危険性が高まります。これは音もなく忍び寄る命の危険です。
- 発煙・発火事故:摩擦熱が異常に高まったり、負荷がかかったモーターのコイルが過熱することで、内部に溜まった綿ボコリに着火したり、樹脂部品が溶けたりして火災につながる恐れがあります。
(出典:東京都中央区 消費者生活センター『長期使用製品(製造から10年以上経過)の発火事故に注意』)などの自治体情報でも、長期間使用した家電製品からの発火事故について強く注意喚起がなされています。
「修理代をケチって使い続けたら、火事になって家を失った」なんてことになったら、目も当てられません。異音は「もう限界だよ!休ませて!」という機械の悲鳴です。早めの対処こそが、結果的に最も安上がりで、家族を守る安全な選択になります。
キュルキュル以外の異音との違いを聞き分ける

ファンヒーターからは、キュルキュル以外にも様々な音が聞こえることがあります。中には故障ではなく「正常な動作音」も含まれているので、無駄な心配をしないためにも聞き分け方を知っておきましょう。
以下の表に、よくある音の擬音(オノマトペ)と、その正体をまとめました。
| 音の聞こえ方 | 考えられる原因 | 緊急度・対処 |
|---|---|---|
| キュルキュル キーン | 軸受けの油切れ・摩耗 気化器の異常 | 高(故障・要点検) この記事で解説している危険な音です。修理か買い替えが必要です。 |
| カラカラ カラン | 異物混入 転倒防止装置の音(移動時) | 中〜低 本体を振ったり移動した時に鳴るのは正常(重りの音)。置いてあるのに鳴るのは内部部品脱落の可能性あり。 |
| ブーン ゴー | ホコリ詰まり・共振 ファンの風切り音 | 中(要メンテ) フィルターが詰まるとファンが頑張って回ろうとして音が大きくなります。まずは掃除を。 |
| ポコポコ トクトク | 灯油が流れる音 | 安全(正常) 給油タンクから本体へ灯油が落ちる際、空気が入れ替わる音です。故障ではありません。 |
| パキッ ピキッ | 金属の熱膨張・収縮 | 安全(正常) 点火時や消火後に、金属部品が熱で膨らんだり冷えて縮んだりする音です。異常ではありません。 |
| ジジジ… | 点火時の放電音 | 安全(正常) 着火のための電気火花(スパーク)の音です。点火動作中のみなら正常です。 |
特に「ポコポコ」という音や、点火・消火時の「パキッ」という音は、ファンヒーターの仕組み上どうしても出る音ですので、安心してお使いください。
逆に、普段聞いたことのない「ガガガッ」という激しい破壊音や、今回テーマにしている継続的な「キュルキュル」音は、明らかに内部機構のトラブルです。
正常な音との違いを冷静に聞き分けることが、正しい対処への第一歩です。
ファンヒーター異音キュルキュルの対処法と修理判断

原因とリスクがある程度わかったところで、次は「じゃあ、具体的にどうすればいいの?」という疑問にお答えします。自分でできる簡単なメンテナンスから、プロに任せるべきライン、そして買い替えの判断基準まで、具体的なステップを見ていきましょう。
自分でできるフィルター掃除と応急処置の手順

もし異音の原因が「ホコリ詰まりによるファンの過負荷」や「吸気不足によるモーターの過回転」である場合、フィルター掃除を徹底的に行うだけで、空気の流れがスムーズになり音が劇的に改善することがあります。修理に出す前に、ダメ元で以下の手順を試してみてください。
- 掃除機(すき間ノズルやブラシノズルがあると便利)
- 中性洗剤(台所用洗剤でOK)
- 使い古した歯ブラシ
- 乾いたタオル
必ず運転を停止し、電源プラグをコンセントから抜いてください。本体が十分に冷めるまで30分〜1時間ほど待ちましょう。熱いまま作業するのは火傷の原因になり危険です。
本体の裏側にある「ファンフィルター」を取り外します。多くの機種はプラスチックの網枠で、ツマミをスライドさせるか、少し持ち上げるだけで簡単に外れます。
フィルターの外側・内側に付着したホコリを掃除機で丁寧に吸い取ります。さらに、本体側の吸気口(金網部分)に詰まったホコリも、掃除機のブラシノズルなどを使って優しく吸い取りましょう。ここにホコリが壁のように詰まっているケースが非常に多いです。
油汚れやタバコのヤニ、頑固なホコリがこびりついている場合は、お風呂場などでぬるま湯と中性洗剤を使って洗います。歯ブラシで優しくこすり落としてください。
※最重要注意点:完全に乾燥させるまでセットしないでください!
水分が残ったまま取り付けると、ファンモーターが水分を吸い込み、錆びやショートの原因になってトドメを刺してしまいます。風通しの良い日陰で最低でも半日、できれば24時間乾燥させてください。
掃除が終わったら、フィルターを「カチッ」と音がするまで確実に取り付け、電源を入れて試運転をしてみてください。これで音が静かになればラッキーです。
YouTubeなどで「(メーカー名 型番) フィルター掃除」と検索すると、メーカー公式の解説動画が見つかることもありますので、動画を見ながら作業するのもおすすめです。
シリコンスプレー等の自己判断による注油は厳禁

ここが今回、私が最も強く、声を大にして伝えたいポイントです。
インターネット上やSNSには「キュルキュル音にはシリコンスプレーを吹けば一発で直る」「5-56をかければOK」というようなDIY情報が出回っていることがありますが、これはファンヒーターにおいては絶対にやってはいけない禁忌(タブー)行為です。
「えっ、潤滑油なんだから滑りが良くなるんじゃないの?」と思いますよね。なぜダメなのか、その理由を説明します。
- シリコン酸化物が付着し、センサーを殺す:スプレーに含まれるシリコン成分は、燃焼用の空気と一緒に吸い込まれ、燃焼熱で化学変化を起こします。すると、ガラス質の白い粉(シリコン酸化物)となり、炎の状態を見張っている「フレームロッド(炎検知センサー)」に付着します。シリコン酸化物は電気を通さない絶縁体なので、センサーが「炎がない」と誤判断し、「着火しない」「すぐに消える」「換気エラーが出る」といった致命的な故障を引き起こします。
- ホコリを固めて悪化させる:外部から適当に機械油(CRC 5-56等)を吹きかけると、モーター周辺のホコリを吸着してドロドロの塊にします。これが抵抗となり、逆に回転を重くしたり、最悪の場合はコイルにかかってショート発火の原因になります。
これは石油ファンヒーターだけでなく、ガスファンヒーターでも全く同様のリスクがあります。(出典:ダイニチ工業『シリコーン配合商品を使用しない』)の公式ページでも、ヘアスプレーや枝毛コート剤、衣類の柔軟剤など、シリコンを含む製品をファンヒーターのある部屋で使用すること自体を避けるよう、強い言葉で警告されています。
注油修理というのは、本来「モーターを完全に分解し、古いグリスを洗浄して取り除き、専用の耐熱グリスを適量充填して、精密に組み立て直す」という高度な作業です。外からスプレーを吹くのとはわけが違います。
素人判断でのスプレー噴射は、数千円で直せたかもしれない軽度の故障を、「修理不能」または「高額な部品全交換」にしてしまう行為です。絶対にやめましょう。
修理費用相場と買い替えすべき寿命のサイン

フィルター掃除をしても直らない場合、いよいよ「メーカーに修理を依頼する」か「新しいものに買い替える」かの二択になります。ここでは、経済的な視点で損をしない判断ができるよう、リアルな費用感と寿命の目安をお伝えします。
修理費用の相場(目安)
メーカーや故障箇所によりますが、概ね以下の通りです。
- ファンモーターの交換:15,000円 〜 25,000円
- 燃焼部分(気化器・バーナー)の修理:12,000円 〜 18,000円
- 基板交換:10,000円 〜 20,000円
- 内訳:部品代+技術料+出張費(3,000〜5,000円)
出張修理を依頼すると、直らなくても出張費がかかる場合があります。一方で、新品のファンヒーターは小型のものなら1万円台、高性能なリビング用でも2〜4万円程度で購入可能です。修理代と新品価格がほとんど変わらないケースが多いのが現実です。
「買い替え」をおすすめする基準
以下の条件に一つでも当てはまる場合は、修理するよりも買い替えた方がコストパフォーマンスも安全性も高いでしょう。
- 使用年数が8年以上経過している:メーカーが修理用部品を保有している期間(補修用性能部品の保有期間)は、製造打ち切り後6年〜9年程度です。8年経っていると部品がなくて修理できない可能性が高いです。
- 修理見積もりが新品価格の50%を超える:例えば新品が2万円で買えるのに、修理に1万5千円かけるのは経済的ではありません。
- 過去にも故障したことがある:あちこちガタが来ている証拠です。今回直しても、次は別の場所が壊れる「故障のモグラ叩き」状態になります。
特に製造から10年以上経っている製品は、経年劣化による火災リスクも高まっています。「設計上の標準使用期間」も8〜10年と設定されていることが多いため、異音は「天寿を全うしたサイン」と割り切るのが賢明です。
また、2026年現在の最新モデルは、10年前の機種に比べて「エコモード」や「人感センサー」などの省エネ性能が格段に向上しています。電気代や灯油代の節約分を考えれば、無理に古い機種を修理するより、新品にした方が数年スパンで見ると安上がりになることも多いですよ。
↓↓もし買い替えを検討されるなら、省エネ・静音性に優れたこちらの最新モデルがおすすめです↓↓
異音トラブルを防ぐ日常の予防メンテナンス

新しいファンヒーターを買ったとしても、扱い方を間違えればまた数年で同じような異音が発生してしまいます。トラブルを未然に防ぎ、寿命をできるだけ延ばすためのプロの予防メンテナンス術をご紹介します。
1. フィルター掃除はこまめに(2週間に1回)
面倒かもしれませんが、これが一番効果があります。2週間に1回程度、背面のフィルターに掃除機をかけてください。ホコリがたまるとファンに負荷がかかり、軸受けの摩耗を早めます。
2. シーズンオフの片付け(最重要!)
故障の多くは、次の冬に使おうとした時に発覚します。原因の多くは「昨シーズンの灯油(持ち越し灯油)を使ったこと」や「灯油を入れたまま保管したこと」による内部の汚れや腐食です。
- 灯油を使い切る:しまう時は、タンク内の灯油を空にし、本体側の油受皿に残った灯油もスポイトなどで完全に抜き取ります。
- クリーニング運転(空焼き):多くの機種には「クリーニング機能」が付いています。これを行い、内部に残った微量の灯油を燃やし尽くして乾燥させます。
- 箱に入れて保管:購入時の箱に入れて、湿気の少ない場所に保管します。ビニール袋を被せるだけの保管は、湿気がこもってサビの原因になることがあるので注意が必要です。
これを行うだけで、キュルキュル音の原因となるタール付着や錆びを劇的に防ぐことができます。残った灯油は、来シーズンには絶対に使わず、ガソリンスタンドなどに持ち込んで処分してもらいましょう。
3. 適切な使用環境
部屋の広さに合わない小さなファンヒーター(例:6畳用を12畳のリビングで使用)をフルパワーで使い続けると、モーターに常に最大負荷がかかり、寿命を縮めます。部屋のサイズに合った、あるいは少し余裕のある能力の機種を選ぶことも大切です。
長時間使用する際のリスクについては、実際に試したこちらの記事も参考にしてください。

実際に異音を経験したユーザーの事例紹介

ここでは、実際に「キュルキュル音」に悩まされた方々のケーススタディをご紹介します。成功例だけでなく失敗例も知ることで、ご自身の状況に近い判断の参考にしてください。
ケース1:フィルター掃除で完全復活(30代男性)
「買って3年のダイニチ製ファンヒーターから『ブーン…キュル…』という異音が。故障かと思って焦りましたが、この記事を読んで裏側のフィルターを外してみました。すると、綿あめのようなホコリがびっしり!掃除機で吸って、念のためお風呂で水洗いして24時間乾かしました。翌日セットしたら、嘘のように静かになりました。メンテナンス不足を反省しました。」
ケース2:修理見積もりで買い替え決断(40代主婦)
「7年使ったファンヒーターから高い金属音が鳴り響くように。メーカーに電話で見積もりを頼んだら、『出張費込みで18,000円〜25,000円かかる可能性があります』と言われました。近くのホームセンターに行くと、新品が22,000円で売っていました。修理してもあと何年使えるかわからないので、その場で買い替えを決意。新しいのは点火も早くて、臭いも少なくて快適です。」
ケース3:自己修理に失敗して危険な目に(50代男性)
「ネットの『シリコンスプレーで直る』という情報を鵜呑みにして、分解して軸受けらしき場所にスプレーをかけました。その時は直った気がしましたが、数日後に白い煙が出てエラーで停止。メーカーに見てもらったら『シリコンが付着して修理不能です』と言われました。結局買い替えることになり、処分費用もかかって散々でした。火事にならなくて本当によかったです。」
ファンヒーター異音キュルキュルに関するQ&A

最後に、よくある質問をQ&A形式でまとめました。
- 夜中に異音がしても朝まで使って大丈夫?
-
A: おすすめしません。できる限り使用を控えてください。
焦げ臭いなどの異常がなければ即座に発火する可能性は低いですが、就寝中は異変(臭いや煙)に気づけません。もし寝ている間にファンが停止し、不完全燃焼を起こしたら、一酸化炭素中毒になる恐れもあります。異音がする状態での就寝時の使用(つけっぱなし)は絶対にやめましょう。どうしても寒い場合は、エアコンや電気毛布などで代用してください。 - 叩くと音が止まる場合は使い続けていい?
-
A: ダメです。一時しのぎにもなりません。
叩いて直るのは、衝撃で部品の位置が一時的にズレて接触しなくなっただけか、断線しかかっている配線が一時的につながっただけです。根本的な原因(摩耗や油切れ)は解決していません。むしろ、叩いた衝撃で基盤のハンダが割れたり、センサーがズレたりして、別の致命的な故障を引き起こす可能性があります。昭和のテレビのように「叩けば直る」ものではありません。 - 賃貸の備え付け機器の場合は誰負担?
-
A: 基本的には大家さん・管理会社です。
最初から部屋に備え付けられているエアコンやファンヒーターは「設備」扱いとなります。経年劣化による自然故障であれば、貸主(大家さん)の負担で修理・交換してもらえます。ただし、「フィルター掃除を何年もサボり続けて壊した」「蹴飛ばして壊した」など、入居者の過失(善管注意義務違反)が問われる場合は、修理費用を請求されることもあります。勝手に業者を呼んで修理せず、まずは管理会社へ連絡して「異音がする」と伝えましょう。 - メーカー保証期間内なら無料で直る?
-
A: 自然故障なら無料です。
ダイニチなら本体3年保証、その他のメーカーは1年の保証期間が一般的です。保証書の日付を確認してください。ただし、期間内であっても「シリコンスプレーを使用した」「落下させた」「灯油に水が混入していた」など、ユーザーの使い方が原因による故障は有償修理になります。取扱説明書の保証規定をよく確認しましょう。
まとめ:ファンヒーター異音キュルキュルは早めの対処を
今回はファンヒーターの「キュルキュル」という異音について、原因から対処法まで徹底解説しました。

記事のポイントをもう一度振り返りましょう。
- キュルキュル音はモーター軸受けの油切れや劣化が主な原因。
- 焦げ臭い、煙が出る、エラー頻発は即使用中止。
- まずはフィルター掃除を試す。分解やシリコンスプレーは絶対NG。
- 使用8年以上や修理費が高額な場合は、迷わず買い替えが安全かつ経済的。
暖房器具は私たちの命を守ってくれる大切なパートナーですが、使い方を一歩間違えば火災や事故につながる怖い側面も持っています。
「まだ使えるから」と無理をするのが一番危険です。異音はファンヒーターからの「もう限界だよ!これ以上回れないよ!」というメッセージです。この機会に、まずはフィルター掃除をしてみるか、思い切って新しい機種への買い替えを検討してみてください。
皆様が安全で暖かい冬を過ごせることを願っています。最後までお読みいただきありがとうございました。
※本記事の情報は一般的な目安です。正確な判断は各メーカーのサポートセンターへご相談ください。
(出典:経済産業省『長期使用製品安全点検制度』)

