こんにちは。パワーツールラボ運営者 TAKAです。
冬の寒さが厳しくなると、ついファンヒーターをつけっぱなしにして寝てしまったり、外出中も部屋を暖めておきたくなったりしますよね。朝起きたときに部屋が暖かいと幸せですが、同時に「これって火事にならないかな?」「換気しなくて大丈夫だったかな?」と不安になることも多いのではないでしょうか。
実は、ファンヒーターの長時間使用には、私たちの命に関わる重大なリスクや、驚くような電気代がかかってしまう可能性があります。もし何も知らずに使い続けていたら、ある日突然、取り返しのつかない事故や高額な請求に直面してしまうかもしれません。
そこで今回は、ファンヒーターをつけっぱなしにする際のリスクと、安全かつ経済的に使うための具体的な対策について詳しく解説します。私が実際に調べて実践している節約術も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
- ファンヒーターつけっぱなしによる死亡事故や火災のリアルなリスク
- 種類別に見る電気代と燃料費の驚くべき差
- 寝る時や外出時に実践すべき安全対策とタイマー活用術
- エアコンや他の暖房器具と併用してコストを下げる賢い方法
ファンヒーターつけっぱなしの危険性と電気代

「寒いからちょっとだけ…」と思ってつけっぱなしにしたファンヒーターが、実は家族の命を脅かす危険な存在になることがあります。また、請求書を見て青ざめるような電気代の原因になることも。
まずは、ファンヒーターを長時間稼働させ続けることで具体的にどのようなリスクがあるのか、そしてどれくらいのコストがかかるのか、事実データをもとにしっかりと確認していきましょう。
結論:つけっぱなしは死亡事故や火災のリスク大

まず結論からお伝えすると、ファンヒーター(特に石油・ガス)のつけっぱなしは、一酸化炭素中毒や火災のリスクが非常に高く、基本的にNGです。「うちは大丈夫だろう」という油断が、取り返しのつかない事態を招くことがあります。
【ファンヒーターつけっぱなしの結論】
- 一酸化炭素中毒:換気不足により、無色無臭のガスが発生し、最悪の場合は死に至ります。
- 火災リスク:就寝中の寝返りで布団が接触したり、長時間の熱で周囲のものが発火する恐れがあります。
- 低温やけど:温風に当たり続けることで、皮膚の深部まで損傷する重篤なやけどを負う可能性があります。
- 高額な光熱費:特に電気ファンヒーター(セラミックファンヒーター)の場合、エアコンの数倍のコストがかかります。
実際、過去には非常に痛ましい事故が発生しています。2006年、北海道苫小牧市のアパートで、石油ファンヒーターの不完全燃焼が原因で一酸化炭素中毒が発生し、7名もの方が亡くなりました。この事故は、製品の不具合(メーカー自主回収品)が関係していましたが、閉め切った状態で長時間使用することの恐ろしさを物語っています。当時、大きなニュースになったので記憶にある方もいるかもしれません。
また、NITE(製品評価技術基盤機構)の最新の統計データによると、2018年度から2022年度の5年間で、石油ストーブ・ファンヒーターに関連する事故は269件発生しています。そのうち調査が終了した233件の中で死亡事故が確認されており、その多くが火災を伴うものでした。特に高齢者が被害に遭うケースが多く、「3時間で自動消火するから平気」といった過信や、長年使い続けた機器の劣化が原因で、火災や一酸化炭素中毒を引き起こしています。
ファンヒーターは便利な暖房器具ですが、その仕組み上、「火を燃やしている」という事実を忘れてはいけません。特に就寝中や外出時は、異変(異臭、煙、警報音)に気づくのが遅れます。「消し忘れたかも」と不安になりながら過ごす精神的なストレスも含め、つけっぱなし運用はリスクが高すぎます。
一酸化炭素中毒:換気不足が招く最悪の事態

ファンヒーターをつけっぱなしにする際、最も恐ろしいのが「一酸化炭素中毒」です。一酸化炭素(CO)は、無色・無臭・無刺激の気体であり、五感で感知することができません。そのため「サイレントキラー(沈黙の殺人者)」とも呼ばれ、気づいた時には手遅れになっているケースが後を絶ちません。
石油ファンヒーターやガスファンヒーターは、室内の空気(酸素)を取り込んで燃焼し、熱を生み出す「開放型」の暖房器具が大半です。閉め切った部屋でこれらを長時間使い続けると、室内の酸素濃度が徐々に低下していきます。酸素が不足すると、燃料が正常に燃えきらない「不完全燃焼」が起こり、その結果として猛毒の一酸化炭素が発生するのです。
燃焼系のファンヒーターを使用する際は、「換気」こそが生命線であることを肝に銘じてください。
一酸化炭素を吸い込むと、血液中のヘモグロビンと結びつき、酸素が体中に運ばれなくなります。初期症状は「軽い頭痛」「倦怠感」「吐き気」などで、風邪の症状に似ているため見過ごされがちです。しかし、そのまま吸い続けると手足がしびれて動けなくなり、意識を失い、最終的には死に至ります。
| 一酸化炭素濃度 | 中毒症状の目安と危険性 |
|---|---|
| 0.04% (400ppm) | 1~2時間で前頭部の痛み、吐き気を感じます。 |
| 0.08% (800ppm) | 45分で頭痛・めまい・吐き気。2時間で失神する可能性があります。 |
| 0.32% (3,200ppm) | 5~10分で頭痛・めまい。30分で死に至る危険性があります。 |
| 1.28% (12,800ppm) | 1〜3分という極めて短時間で死亡します。 |
(出典:日本ガス石油機器工業会『一酸化炭素(CO)中毒とは』)
このように、濃度がわずか0.32%になっただけで、30分以内に命を落とす危険性があります。つけっぱなしで寝てしまった場合、睡眠中に濃度が上昇しても気づくことはほぼ不可能です。「うちは古い家だから隙間風があるし大丈夫」といった過信は禁物です。最近の住宅は気密性が高く、一度汚染された空気が外に逃げにくい構造になっています。
実際に、締め切った室内でファンヒーターを使用し、換気を怠ったために一酸化炭素中毒で救急搬送された事例は毎年のように報告されています。たとえ命が助かったとしても、脳に深刻な後遺症が残る可能性もあります。
火災と低温やけど:寝る時や外出時のリスク

一酸化炭素中毒と並んで警戒すべきなのが「火災」と「低温やけど」です。これらは特に、就寝時や、ちょっとした外出時につけっぱなしにすることで発生確率が跳ね上がります。
【火災のリスク:652件中576件が出火】
消防庁のデータによると、電気器具類を発火源とする火災は年間2,000件以上発生しており、その中でもストーブ・ファンヒーターによる火災は被害が大きくなりやすい傾向にあります。NITEの調査では、石油ストーブ・ファンヒーター事故652件のうち、なんと約88%にあたる576件が出火事故でした。
- 洗濯物の落下:早く乾かそうと近くに干していた衣類が乾いて軽くなり、温風に乗ってヒーターの上に落下し発火する。
- スプレー缶の爆発:ヘアスプレーや殺虫剤を近くに置いていて、熱で内圧が上がり破裂・引火する。
- 寝具の接触:就寝中に無意識に布団を蹴飛ばし、ヒーターの吹き出し口やガード部分に接触して焦げる、または燃え移る。
寝ている間や留守中は、ボヤが発生しても初期消火ができません。また、地震大国の日本では、就寝中に大きな地震が来てヒーターが転倒するリスクも常に考慮する必要があります。転倒時自動消火装置がついていても、可燃物が散乱した状況では万全とは言えません。
【低温やけどのリスク:皮膚移植が必要になることも】
「熱くないから大丈夫」と思って温風に当たり続けるのも危険です。44℃〜50℃といった、心地よいと感じる温度でも、長時間(数時間〜)皮膚の同じ場所に触れ続けることで「低温やけど」を引き起こします。
低温やけどの怖いところは、一見すると皮膚が少し赤くなっている程度に見えても、実は皮膚の深部(真皮や皮下組織)まで損傷してしまっていることが多い点です。痛みを感じにくいまま進行するため、「気づいたら重症化していた」というケースが目立ちます。III度熱傷(皮下組織まで達するやけど)になると自然治癒は難しく、入院して壊死した組織を取り除き、皮膚移植の手術が必要になることもあります。
特に、泥酔して帰宅してヒーターの前で寝込んでしまった場合や、感覚の鈍くなっている高齢者、自分で動けない乳幼児がいる家庭では、絶対につけっぱなしで放置しないようにしましょう。コタツでの寝落ち同様、ファンヒーターの前でのうたた寝も非常に危険な行為です。
電気代:24時間つけっぱなしだと月2万円超も
安全性もさることながら、家計を直撃するのが「電気代」の問題です。特に、コンセントに差すだけで使える「電気ファンヒーター(セラミックファンヒーター)」を使っている方は、細心の注意が必要です。
セラミックファンヒーターは、灯油やガスを使わず、手軽で空気も汚さないため人気がありますが、実は暖房器具の中でトップクラスに電気代が高いのをご存知でしょうか?電気抵抗で熱を発生させる仕組み上、消費電力が大きく、広い部屋を暖め続けるのには不向きです。
【電気ファンヒーター(1200W)のコスト試算】
- 消費電力:1200W(強運転時)
- 1時間あたりの電気代:約37.2円
- 24時間つけっぱなし:約893円
- 1ヶ月(30日)つけっぱなし:約26,784円
※電気料金目安単価31円/kWhで計算
なんと、1台を強モードでつけっぱなしにするだけで、月に2万6千円以上もの電気代がかかる可能性があります。これに冷蔵庫や照明、テレビなどの電気代が加算されるわけですから、冬場の電気代請求がとんでもない金額になるのも無理はありません。「暖房費で家計が破綻する」というのは、決して大げさな話ではないのです。
よく「エアコンは電気代が高い」と誤解されていますが、実は逆です。近年のエアコン(ヒートポンプ式)は非常にエネルギー効率が良く、1時間あたりの電気代は数円〜40円程度(設定温度や外気温による)です。特に、一度部屋が暖まった後の安定運転時は非常に低コストで稼働します。
もし24時間、あるいは長時間つけっぱなしにする必要があるなら、電気ファンヒーターではなくエアコンを使うのが圧倒的に経済的です。電気ファンヒーターは、脱衣所やトイレなど「狭い場所を短時間暖める」用途に特化した器具だと認識しましょう。
灯油代:ガス・石油ファンヒーターの燃料コスト

石油ファンヒーターやガスファンヒーターをメイン暖房として使っている場合、電気代(ファンを回す電力)は微々たるものですが、「燃料費」が重くのしかかります。つけっぱなしにすることで、どれくらいの灯油やガスが消費されるのか、2026年の想定価格をもとに試算してみましょう。
【石油ファンヒーターの場合】
石油ファンヒーターの燃料消費量は、機種や設定温度、部屋の断熱性にもよりますが、一般的な木造10畳向けモデルで1時間あたり0.064L〜0.243L程度です。
2026年1月現在の灯油単価を約117.1円/Lと仮定して計算してみます。
- 1時間あたりの灯油代:約7.5円〜28.5円
- 1日8時間使用:約60円〜228円
- 1ヶ月(30日)8時間使用:約1,800円〜6,840円
- 24時間つけっぱなしの場合:月額約20,520円(最大出力時)
24時間つけっぱなしにすると、灯油代だけで月2万円を超える可能性があります。さらに、コストだけでなく「給油の手間」も忘れてはいけません。消費量が増えれば、それだけ重いポリタンクを持って灯油を買いに行き、寒い廊下で給油する回数が増えます。これは大きなストレスになります。
【ガスファンヒーターの場合】
ガスファンヒーターは、燃料補給の手間がなく、スイッチ一つですぐに暖まる最強の暖房器具ですが、ガス種によって料金が劇的に異なります。
- 都市ガス(13A):1時間あたり約15円〜20円程度。エアコンよりやや高いか同等レベルで、パワーを考えればコスパは悪くありません。
- プロパンガス(LPガス):1時間あたり約30円〜41円、あるいはそれ以上。都市ガスの1.5倍〜2倍近く高くなることが一般的です。
プロパンガス物件にお住まいの方がガスファンヒーターをつけっぱなしにすると、月額のガス代が3万円、4万円と跳ね上がるリスクがあります。「ガス代の請求を見て膝から崩れ落ちた」という話は、プロパンガスユーザーの間では冬の風物詩になってしまっています。
結論として、電気・石油・ガス、どのファンヒーターであっても「24時間つけっぱなし」は、安全性だけでなく経済的な観点からも推奨できません。次章では、これらのコストを抑えつつ、安全に暖かく過ごすための具体的な対策を解説します。
(出典:Selectra『石油ファンヒーターvsエアコン』)
ファンヒーターつけっぱなしの対策と正しい使い方

ここまで、ファンヒーターのつけっぱなしがいかに危険でコストがかかるかをお伝えしてきました。「じゃあ、寒いのを我慢しなきゃいけないの?」と思った方もいるかもしれません。
ご安心ください。完全に使うなということではありません。便利なファンヒーターの特性を理解し、適切な対策と使い分けを行うことで、安全かつ快適に、そしてお財布にも優しく冬を乗り切ることができます。ここからは具体的な解決策を見ていきましょう。
寝る時どうする?タイマーと安全機能の活用

一番の悩みどころである「寝る時の寒さ対策」。布団から出ている顔や肩が寒くて眠れない、という方も多いと思います。ここで活用すべきなのが、タイマー機能と最新の安全機能です。
まず大前提として、就寝中は「オフタイマー」を設定するのが鉄則です。おすすめの設定時間は「2〜3時間」。人間は眠りに入ると体温が下がるため、入眠時の1〜2時間さえ暖かければ、その後は布団の保温性だけで十分に眠れます。朝までつけっぱなしにする必要はありません。
そして、朝方の冷え込みで布団から出るのが辛い場合は、「入タイマー(オンタイマー)」を活用します。起床予定時刻の1時間前にセットしておけば、目が覚めたときには部屋がポカポカになっており、快適に一日をスタートできます。これで「つけっぱなし」のリスクを回避しつつ、快適さはキープできます。
また、これからファンヒーターを購入・買い替えする場合は、以下の安全機能が搭載されているかを必ずチェックしてください。
【チェックしておきたい安全機能】
- 3時間自動消火機能:ダイニチやコロナなどの石油ファンヒーターの多くに標準装備。操作がないと約3時間で自動的に消火します。万が一の消し忘れを防ぐ最後の砦です。
- 人感センサー:人の動きがないと自動で運転を停止したり、火力を弱めたりします。無駄な暖房を防ぐ省エネ機能としても優秀です。
- 転倒時自動消火装置:地震や衝撃で倒れた際に瞬時に火が消える機能。必須です。
- エコ運転モード:室温が設定温度(例えば20℃)を超えると自動で消火し、下がると再点火します。暖めすぎを防ぎ、灯油の節約になります。
ただし、「3時間タイマーがあるから、つけっぱなしで寝ても勝手に消えるだろう」と考えるのは危険です。換気ができない就寝中は、不完全燃焼のリスクが高まるため、やはり自発的にタイマーをセットし、確実に切れるようにコントロールすることが重要です。
換気のルール:1時間に1〜2回が目安

石油・ガスファンヒーターを使う上で、避けて通れないのが「換気」です。「寒いから嫌だ」「面倒くさい」という気持ちは痛いほどわかりますが、一酸化炭素中毒を防ぐためには必須のアクションです。
日本ガス石油機器工業会や各メーカーが推奨している換気の目安は、「1時間に1〜2回、それぞれ1〜2分程度」です。
「1時間に2回も!?」と思うかもしれませんが、数分であれば壁や床に蓄積された熱は逃げないため、部屋の温度はそれほど下がりません。むしろ、新鮮な空気(酸素)を取り入れることで燃焼効率が良くなり、より効率的に暖めることができるというメリットもあります。
ただ漫然と窓を開けるだけでなく、空気の通り道を作ることがポイントです。2ヶ所以上の窓(対角線上にあるとベスト)を開けると、風が通り抜けて短時間で空気が入れ替わります。窓が1つしかない場合は、キッチンの換気扇を「強」で回しながら窓を開けると効果的です。
換気を忘れないための工夫として、スマホのアラームやタイマーアプリを活用するのがおすすめです。「ピピッと鳴ったら窓を開ける」という習慣がつくと、無意識に安全管理ができるようになります。最近のファンヒーターには、室温や燃焼状態を検知して「換気サイン」を音や光で知らせてくれる機種もあるので、そういった機能に頼るのも一つの手ですね。
(出典:日本ガス石油機器工業会『石油ファンヒーターの安全な使い方』)
賢い使い分け:エアコンとの併用で節約効果

「ファンヒーターの速暖性は捨てがたいけど、灯油代や電気代を抑えたい」。そんなワガママを叶えるのが、エアコンとのハイブリッド使いです。実はこれが最強の節約術かつ安全策です。
エアコンの弱点は「部屋が暖まるまでに時間がかかること(立ち上がりに電力を食う)」ですが、一度暖まってしまえば、温度を維持するコストは非常に安いです。一方、ファンヒーターは「すぐに暖まる」のが得意ですが、長時間使うと燃料費がかかります。
そこでおすすめなのが、以下の「30分ルール(リレー運転)」です。
帰宅後や起床時、最初の15〜30分だけファンヒーターとエアコンを同時にオンにする。
ファンヒーターの爆発的なパワーで部屋を一気に暖める。
部屋が設定温度になったら、ファンヒーターを消してエアコンのみの運転に切り替える。
この方法なら、寒い時間を最小限にしつつ、長時間の保温はコストの安いエアコンに任せることができます。エアコンは火を使わないので、つけっぱなしにしても一酸化炭素中毒の心配がなく、換気の頻度も少なくて済みます(※エアコン使用中もウイルス対策等の換気は推奨されますが、燃焼ガスによる中毒リスクはありません)。
もし、ご自宅のエアコンが古くて電気代が気になる、あるいは寝室に安全な暖房がないという場合は、最新の省エネエアコンや人感センサー付きのヒーターへの買い替えを検討するのも、長期的なコスト削減につながります。最新のエアコンは、AIが人の居場所を検知して効率よく暖める機能などが充実しています。
どうしても寒がりで長時間暖房を使いたい方は、人感センサー付きで無駄をカットできるモデルや、最新の省エネエアコンがおすすめです。
どうしても寒いならオイルヒーター等の検討を

「エアコンの風が苦手」「喉が乾燥するのが嫌」という理由でファンヒーターを使っている方もいるでしょう。もし、寝室での安全性を最優先したいのであれば、「オイルヒーター」や「マルチダイナミックヒーター」という選択肢も検討してみてください。
オイルヒーターは、本体内部の密閉されたオイルを電気で温めて循環させ、輻射熱(ふくしゃねつ)で部屋全体をじんわり暖める器具です。デロンギなどが有名ですね。
- メリット:火を使わないので一酸化炭素中毒や火災のリスクが極めて低い。空気が汚れないため換気がほぼ不要。静音性が高く、風が出ないので乾燥しにくい。
- デメリット:部屋が暖まるまで時間がかかる(30分〜1時間)。電気代が高い(1時間あたり弱運転でも15円〜、強運転で40円以上かかることも)。断熱性の低い木造住宅では暖まりにくい。
正直なところ、電気代が高いです。しかし、「寝ている間の安全性」と「空気のきれいさ」をお金で買うと考えれば、寝室専用として導入する価値は十分にあります。断熱性の高いマンションの寝室など、比較的狭い空間(6〜8畳)であれば効率よく使えます。
「電気代は抑えたいけど安全も欲しい」という場合は、電気毛布や湯たんぽを併用するのも古典的ですが非常に効果的です。部屋全体を暖めるのではなく、「布団の中」を暖めることにシフトすれば、光熱費は劇的に下がります。
外出時の消し忘れ防止対策と点検の重要性

外出先で「あれ?ファンヒーター消したっけ?」と不安になった経験、ありませんか?この冷や汗をかく瞬間をなくすためには、物理的な対策と習慣化が必要です。
【1. スマートプラグの活用(注意点あり)】
電気ファンヒーターなど、コンセントの抜き差しでON/OFFが切り替わる単純な構造の家電であれば、「スマートプラグ」を使うことで、スマホから電源をOFFにできます。「消し忘れた!」と思っても、外出先から強制的に電気を遮断できるので安心です。
【2. 指差し確認の習慣】
玄関のドアに「暖房消した?」という張り紙やチェッカーを貼っておくのも効果的です。アナログですが、確実な方法です。
「消した」という記憶を明確に残すために、スイッチを切る瞬間に「暖房よし!」と声に出すのもおすすめです。
【3. 長期使用製品の点検】
また、長年使っているファンヒーターにもリスクが潜んでいます。内部にホコリが溜まっていたり、部品が劣化していたりすると、通常通り使っていても発煙・発火する恐れがあります。
「変な臭いがする」「異音がする」「ススが出る」「炎の色が赤い(通常は青)」といった症状があれば、すぐに使用を中止し、メーカー点検を受けてください。多くのメーカーでは、製造から10年を目安に点検や買い替えを推奨しています。コロナなどのメーカーサイトでは、長期使用製品安全点検制度についての案内があります。
ファンヒーターつけっぱなしに関するQ&A

最後に、よくある質問とその答えをまとめました。
- 石油ファンヒーターをつけっぱなしで寝ると死にますか?
-
最悪の場合、死亡する可能性があります。
換気が不十分な状態で燃焼が続くと、一酸化炭素が発生しやすくなります。実際に死亡事故も起きているため、就寝時は必ず消火するか、確実に切れるタイマーを設定してください。命より大切な暖かさはありません。 - 30分くらいの外出なら消さない方が節約になりますか?
-
石油・ガスファンヒーターなら「消す」一択です。
エアコンの場合は30分以内ならつけっぱなしの方が電気代が安いことがありますが、燃焼系のファンヒーターは不在時の火災リスクが高いため、節約よりも安全を優先して必ず消してください。数円の節約のために、家を失うリスクを負うべきではありません。 - 換気せずに使い続けるとどうなりますか?
-
一酸化炭素中毒になり、頭痛や吐き気に襲われます。
酸素濃度が低下し、不完全燃焼を起こします。症状が出たときには体が動かなくなっていることもあるので、1時間に1〜2回の換気は絶対ルールです。換気扇を回すだけでもある程度の効果はあります。 - 加湿器代わりにつけっぱなしにするのはアリですか?
-
絶対にナシです。
確かに石油やガスが燃焼すると化学反応で水蒸気が出ますが、それを目的に長時間つけっぱなしにするのは間違いです。一酸化炭素中毒のリスクがあるだけでなく、過剰な水分は窓や壁の結露を引き起こし、カビやダニの原因になります。加湿は専用の加湿器で行いましょう。
まとめ:ファンヒーターつけっぱなしは避け安全第一で

今回は、ファンヒーターのつけっぱなしに関するリスクと対策について解説しました。厳しい内容もお伝えしましたが、すべてはあなたとご家族の安全を守るためです。
- ファンヒーターのつけっぱなしは、一酸化炭素中毒や火災の危険が高い(NITE統計)。
- 電気ファンヒーターの24時間稼働は、月2.6万円以上の電気代になることも。
- 就寝時は必ずオフタイマーを使い、換気を1時間に1〜2回行う。
- 最初はファンヒーター、後はエアコンという使い分けが最強の節約術。
- 「消し忘れ」を防ぐ仕組み(指差し確認、スマートプラグ)と、10年を目安とした点検・買い替えを忘れずに。
ファンヒーターは正しく使えば、冬の強い味方です。リスクを正しく理解した上で、安全機能を活用し、賢く快適な冬をお過ごしください。もし機器が古くなっている場合は、最新の安全なモデルへの買い替えも検討してみてくださいね。
※本記事の情報は一般的な目安です。正確な仕様や数値については、各メーカーの公式サイトや取扱説明書をご確認ください。

